本単元は社会科で初めての歴史の学習の単元である。本単元を通して、大昔の日本でむらからくにへと変化したことについて理解するとともに、遺跡や文化財についての情報を適切に調べまとめる技能を身に付けられるようにすることを目的としている。
別の学習で[発表ノート]に自分の考えをまとめる際に、「写真を貼り付けてもいいですか」「うまく撮影できないなぁ」など、自分で撮影した資料や写真をまとめることに、難しさを感じている声を聞いていた。
本時では、学習に必要だと想定した写真やグラフ等を[資料置き場]に入れておき、必要な資料をそこから選んで、使用できるようにした。このことで、資料を自分の考えの裏付けにしたり、資料と写真を関連付けてまとめたりすることが容易にできるようになり、内容にも深まりが見えた写真1。また、調べたことを[発表ノート]にまとめる際に、モデルとなるノートのフォームを準備しておくことで、資料を整理してまとめることが苦手な児童でも、意欲的に活動に取り組むことへとつながった。写真2
本時は、調べた情報やキーワードをもとに[発表ノート]にまとめる活動を行った。まとめる際には、学び方に自由度をもたせ、個人でも、2人でも、グループでもよいことにした。
グループで[発表ノート]にまとめる活動では、[グループワーク]機能を使うことで、子どもたち一人一人の考えが反映されたスライドを作成することができた。写真3
まとめる活動を各自で行った後、まとめを[提出箱]に提出し、提出した児童から振り返りを入力することにした。[提出箱]を利用することで学習進度が異なったどの児童にも、まとめ、振り返りの連続した学びを保障することができた。また、提出物を児童同士で閲覧できるようにしておくことで、友達の提出物を見ながら自分のまとめを書き直したり、友達の考えのよさを感じ取った振り返りをしたりする姿が見られ、充実したまとめと振り返りとなった。写真4
本実践を通して児童の「○○したい」「次は○○したい」という前向きな姿を多くの場面で見ることができた。単元計画を「学習のてびき」として児童に提示し、一緒に学習問題を考えることで、学習をより「自分ごと」としてとらえることへとつながったように感じる。[発表ノート][グループワーク]を使った活動を取り入れたことで、児童一人一人が資料作成に進んで取り組み、毎時間のゴールに向かおうとする姿が見られた。「書く」ことが苦手な児童が[発表ノート]でスムーズにまとめたり、友達と相談し合って活動したりする姿も見られた。ICT機器を活用しての「調べる」「まとめる」活動は、自分に合った学び方を選択し、知識を定着させたり、考えたりすることのできるよい機会となった。今後の単元でも、[発表ノート]だけでなく、[気づきメモ]を取り入れながら活動を進めていき、児童が「分かった」「できた」「伝えたい」と思えるような授業にしたいと思う。