実践事例

小学校4年 国語児童1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

個人追究から全体共有へ

[発表ノート]と[ポジショニング]の活用 単元名:ごんぎつね

沢 準二 教諭

長野県松本市立四賀小学校

本時のねらい

ごんぎつねの物語で、ごんや兵十の心情やその移り変わりを読み取ってきた子どもたちが、銃で撃たれたごんが一言しゃべったとするとどんなセリフを言うかを考え、伝え合うことを通して、ごんの気持ちの読み方は一人一人違いがあることに気づくことができる。

授業の実際

本時では、[発表ノート]機能と[ポジショニング]機能を活用した。また、教材には、教科書教材「ごんぎつね」を使用した。

「銃で撃たれたごんが一言しゃべったとすると、どんなセリフを言うのか」を考える場面では、[発表ノート]機能を使うことで、児童がより集中して個人追究をする姿が見られた。

その後、タブレットを持ち寄って友だちの考えを聞き合った。自分の考えを修正したい児童は、前の意見の下に書き込むことで、考えの変化を比較できた。

最後に、ごんがひとりぼっちでいたずらばかりする理由を[ポジショニング]機能でマークしてもらい、第一時のそれと比較することでクラス全体の児童がより深くごんの気持ちに寄り添うことができていることが確認できた。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1発表ノートを使った個人追究

発表ノート

▲ シーンを想像して考えられるように教材を工夫

「ごんが一言しゃべったとすると何と言ったのかを考え合おう」という学習課題について、一人ひとりが自分の[発表ノート]に「ごんのセリフ」と「その理由」を書き込んでいった。教師が用意した[発表ノート]のフォームには挿絵が載せてあり、児童がそのシーンをよりイメージしやすくさせることに役立っていた。また、フォームの中にセリフを入れる場所や理由を書き込む場所が分かりやすく示されていたので、児童からは無駄な質問等もなく、個人追究に集中する姿が見られた。

2発表ノートを使った考えの共有

発表ノート

▲ タブレットを持ち寄り話し合う

場面1で考えた「ごん」のセリフについて、タブレットを持ち寄って友だちと共有し合った。聞き合いをする中で考えが変わった児童は、[発表ノート]の下の枠に別の考えを入力した。最後には自分や友達の[発表ノート]をスクリーンに映し出し、全体共有して考えを深めた。[発表ノート]は、「個人追究時の考え」と「友だちと共有した後の考え」が同時に確認できるため、自分や友だちの考えの変化がよく分かり、より深く「ごん」の気持ちに思いを寄せる児童の姿を見ることができた。

3第一場面のポジショニングふりかえり

ポジショニング、分析

▲ [ポジショニング]で学級全員の考えを可視化し、共有

「ごんがひとりぼっちでいたずらばかりするのはどうして?」という第一時の問いについて、[ポジショニング]機能を使ってもう一度考えた。「意見を変えたい人はマーカーを動かしてみよう」と言う教師の指示に対しては、「動かす場所がない」「理由を新しく作らないと」など迷っている声が多く聞かれ、物語を読み進める中で「ごん」の心情を読み解き、第一時では考えつくことができなかった深い理由にたどり着いた児童の姿を見ることができた。また、[分析]機能を使うことで、自分や友だちの気持ちの変化が軌跡となって表れるため、視覚的に理解することができた。

こんな場面で使える!実践を振り返って

[発表ノート]は、心情や考えを友だちと比較・共有する道徳などの教科でも活かすことができる。個人追究した内容を全体に発表し共通認識を図る目的としては、算数などの教科でも使用できるだろう。

今回の授業では、友だちの考えを聞き合う場面で、画面を共有できる[グループワーク]機能を使わず、あえて自分のタブレット端末を見せ合う活動を取り入れた。[グループワーク]機能は便利だが、今回の活動でも予想以上に会話が盛り上がっていて、「これもありだな…」と感じた。機器の操作に慣れていない学級でもこの方法ならばタブレット端末を有効活用できると思った。

(2022年6月掲載)

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