実践事例

小学校5年 図画工作児童1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

[資料置き場]を活用!
操作を時短化し、鑑賞力を深めよう

題材名:言葉から思いを広げて~銀河鉄道の夜の旅

久保田 智子教諭

神戸市立若草小学校
兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科研究生

▲ 互いの作品をじっくりと鑑賞し合った。そのあと、[発表ノート]に自分の作品の写真を撮って載せ、工夫したところを入力した

本時のねらい

① 互いの作品の造形的なよさや美しさ、表現の意図や特徴、表し方について感じ取ったり考えたりし、自分の見方や感じ方を深める。(思考・判断・表現)

② 班での鑑賞活動で、[発表ノート]の[資料置き場]を活用することにより、入力時の操作を時短化し、じっくりと鑑賞させる。

授業の実際

本時は、本題材(配当8時間)のまとめの時間にあたる。導入では、毎時間行っているMicrosoft Formsでの振り返りをもとに、全員のこれまでの取り組みを共有した。本時の目標を確認したあと、各自が自分のめあてを設定し、作品をじっくり鑑賞し合った。次に、[発表ノート]に自分の作品の写真を撮って載せた。自分のがんばった点や工夫したところを入力し、[グループワーク]機能で班の友達の[発表ノート]に自由に行き来できる状態にしたあと、友達の作品にコメントを入力した。文字入力の際は、[資料置き場]を活用することで、操作を時短化し、鑑賞活動にじっくりと取り組むことができた。[発表ノート]の一覧から、自分のページだけを提出させ、[画面一覧]などを使って共有した。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1じっくり鑑賞。写真撮影、[発表ノート]に貼りつけ

発表ノート、カメラ

▲ 友達に伝える気持ちで、自分の作品を「カメラ」で撮影する
様子

まずは、互いの作品をじっくりと鑑賞し合った。作品は、いつでも観に行けるように画板にはさんで立てかけ、図工室のあちこちに展示させた。児童の目線で観やすく、端末でも美しく撮影できた。児童は、図工の授業で『SKYMENU Cloud』を毎時間いつでも主体的に活用している。日頃から自分が感じた「いいな!」の場面を、いつでも撮影し記録している。本時では、友達に伝えるという思いを強く持って撮影にのぞんでいた。

2まずは、ピンクの[付箋]で 自分の気持ちをつづる

発表ノート、資料置き場

▲ [付箋]を使って[発表ノート]に自分の気持ちを入力する

児童は、端末の操作に慣れているものの、[グループワーク]機能の活用経験は浅かった。これまでは、自分や友達の作品について、自由にコメントを入力させると、レイアウトだけでも時間がかかったり、入力スペースがなかったりすることもあった。そこで、[発表ノート]の[資料置き場]に、あらかじめ2種類の[付箋]を入れておいた。児童に[資料置き場]の使い方を教える際は、準備しておいた子供用の説明スライドを、電子黒板に投影して同一歩調で進めた。

まずは、[資料置き場]に作成しておいたピンクの[付箋](「自分のがんばったところや工夫した点など」と書いておいた[付箋])を使うよう指示した。児童は、自分の作品の写真を貼った[発表ノート]に、その[付箋]をドラッグして貼りつけ、自分の気持ちを入力した。打ち直すだけなので、色や枠のデザインに時間をとられることがなく、じっくりと入力に取り組ませることができた。

3黄色の[付箋]を友達へ

発表ノート、資料置き場、グループワーク、画面一覧

▲ [グループワーク]機能で互いの[発表ノート]を共有する

そのあと、[グループワーク]機能で互いの[発表ノート]を共有した。友達へのコメントは、黄色の[付箋]を使うように指示した。写真だけでわかりづらい時は、再度実物を観に行き、友達の表したかったことをくみ取りながら、コメントを入力していた。ひとりの児童が、班のメンバー全員にコメントを入力するので、より一層[付箋]の役割が大きかった。図工室は静まりかえり、文字を打ち込む音だけが響いていた。これまでの鑑賞の時間では、「しゃべらずに、静かに観よう。一か所に集まらずに観よう」などと余計な指示を出していたように思う。紙の鑑賞カードでは、十分に書ききれなかった児童も、端末での文字入力では積極的に取り組むことができた。席の離れた友達の作品や思いを知ることもできた。なにより、児童にとって操作が簡単で時短で取り組めると実感した。コメントを、じっくりと入力するゆとりが生まれた。[グループワーク]終了後、友達からのコメントをその場で確認することができ、うれしそうに読んでいた。「ありがとう!」と声に出している児童もいた。さらに、[発表ノート]の[ページ一覧]から自分のノートだけを提出させ、クラス全体の様子を[画面一覧]で投影し共有した。(本校では、『SKYMENU Cloud』での学びを、Microsoft Teamsで共有し紹介している。)

こんな場面で使える!実践を振り返って

[発表ノート]で、見落としがちな[資料置き場]機能。実は、教師から一斉に[付箋]付きの[発表ノート] を[配付]することも考えた。しかし、児童自身が『SKYMENU Cloud』を操作する機会を少しでも増やしたいという意図もあり、あえて[資料置き場]を活用してみた。それ以後、鑑賞の場面だけでなく、あらゆる題材で、毎時間使用するキーワードがある時は、[資料置き場]を効果的に活用している。今では、児童に「[資料置き場]の[付箋]を活用しよう。」という大まかな指示をするだけで取り組むことができるようになった。

(2021年6月実施 / 2022年7月掲載)

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