日本文化についてパンフレットを作る活動を通して、構成や表現の工夫をアドバイスし合い、伝えたいことを明確にした文章を書くことができる。
本単元では、日本文化について調べたことや伝えたいことをパンフレットという形で文章にするという言語活動が設定されている。そこで、1人1台端末と[発表ノート]を使ってパンフレットを作成した。1人1台端末は児童が調べるのにとても便利で、パンフレットに載せる画像も検索することができ、意欲的に調べ学習に取り組んでいた。
また、[発表ノート]で作成することで互いにアドバイスをする時間を設けられた。紙面で作成すると、完成してから書き直したり、内容を付け加えたりすることが難しい。しかし、[発表ノート]でパンフレットを作成することで、下書きを完成させてからアドバイスができる。必要な部分を加筆修正したり、文章の構成を考え直したりすることが容易になるため、児童も修正することが苦にならない様子であった。友達同士でアドバイスし合った内容を基に清書し、児童自身も充実したパンフレットを作ることができたという実感をもっていた。
教科書ではグループで分担してパンフレットを書くという活動が設定されているが、本単元では1人1台端末を利用し、それぞれのテーマを決めて1人1冊のパンフレットを作成した。
児童は[発表ノート]を活用し、必要なことを調べたり、画像を検索・挿入したりしながら意欲的にパンフレット作りに取り組むことができた。
構成や文章を書くことに苦手意識がある児童には、教師が作成した見本を配付した。従来であれば、見本を提示してもその紙面上に加筆修正することはできない。しかし、今回のように[発表ノート]でパンフレットを作ると、苦手な児童は見本を編集して自分のテーマのパンフレットを書くことができる。学習に取り組むきっかけをつかむことができ、最初から自分で作るよりもスムーズに作り始めていた。
作成したパンフレットを互いに読み合い、アドバイスし合う時間を設けた。「少し言葉が難しいよ」「画像を変えた方がいいと思う」など、よりよくするための言葉をたくさん書いていた。紙面でパンフレットを作成するとパンフレットを回し読みしたり、友達が読んでいる間は待つ時間が必要になったりするが、[発表ノート]を使うことで自分のペースで読みたい友達の作品をじっくり読んだり、友達の活動を待たずに読みたい作品を読むことができる。児童は[グループワーク]の機能を使い、班の友達一人ひとりに矢印や丸印を活用しながら助言していた。
友達からもらったアドバイスを読み、パンフレットの清書を書いた。児童は必要に応じて内容をもう一度調べたり、文章の表現や構成を修正したりしていた。
紙面でパンフレットを作成すると、書き直すことの難しさから、児童の意欲が低下する様子が見られることもある。しかし、[発表ノート]を活用すれば、修正が容易にできるので、児童は自分のパンフレットをよりよいものにしようと、何度もアドバイスを読み返し、集中し、楽しみながら活動していた。
本実践で一番印象的なのは、児童が意欲的に活動に取り組み、集中力を持続しながら学習する姿である。個別最適な学びと協働的な学びが話題に挙がっているが、1人1台端末の良さを生かすことでどちらも国語科の学習に効果的に取り入れられると感じた。児童は自分の必要な情報を自分のペースで調べたり、必要に応じて教師見本を編集して活用したりしていた。多様な児童がいる中でも、それぞれが意欲的に学習に取り組むことができた。
また、下書きと清書の間にアドバイスし合う時間を設けることで、独りよがりにならず、読み手に分かりやすいパンフレットを作成できた。児童の振り返りでも「アドバイスをもらったことでパンフレットがよいものになった」という声が聞かれ、児童自身が充実感を得られた学習となった。