実践事例

小学校4年 理科児童1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

ヘチマの観察をしよう

単元名:生き物のくらし~秋~

渡邉 貴之 講師

長野県松本市立寿小学校

本時のねらい

ヘチマがどのように育っているのか関心をもち、ヘチマの様子を観察して記録し、これまでの記録と比べることを通して、秋になるとヘチマはあまり成長しなくなり、大きく育った実の中には、種ができていることをとらえる。

授業の実際

秋のヘチマの様子を観察する場面で、夏(8月末)に観察しまとめた自分のヘチマの『SKYMENU Cloud』[発表ノート]を見返した。現在はどうなっているかを予想した後、実際にヘチマを観察し、タブレットを使って現在の様子が分かるように写真を撮影した。その後、観察の結果を[発表ノート]にまとめていった。レイアウト、文字の大きさなどは特に指定せず、何について書くかを最初に確認し、スクリーンに投影しておいた。最初に、日時や気温等のデータを入力し、次に撮った写真を選んで[発表ノート]に貼り付け、更にその写真にコメントをつける形で気づいたことや夏との違いを入力していった。入力に時間を要したため、本時は入力中に終了し、次回提出したものを映し出しながら、気づいたことの発表を行っていく。夏と違って入力に慣れてきており、半数以上の児童が入力を終えることができた。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1夏に観察したヘチマの様子を見返す

発表ノート

夏に[発表ノート]で作成した自分の観察記録をタブレット上に呼び出し、その記録を見ながら、夏の頃のヘチマがどんな様子だったかを発表した。「葉の大きさが手ぐらい」「上の方に実がある」「花が咲いていた」「葉の色は濃い緑色だった」など、自分で撮った写真や入力したコメントであったため、次々に挙手や発言が続き、夏の頃のヘチマの様子を詳しく思い出すことができた。

▲ 夏にまとめた観察記録を振り返る
▲ [発表ノート]を見返すことで、挙手や発言が活発に

2スケッチの代わりにカメラを利用し今のヘチマの様子を撮影する

カメラ

▲ 秋のヘチマの様子を[カメラ]で撮影。意欲的に取り組む児童

秋のヘチマの様子をまとめるために観察を行った。3か月前に行った夏の観察から大きく変わったこともあり、全体の様子だけでなく、葉、茎、実などさまざまな様子をカメラに収めていた。どの子もただ撮影するのではなく、[カメラ]でアップにしたりルーズにしたり、ヘチマに近づいたり遠ざかったり、背景を校舎の壁にしたり青空にしたりなど、自分の気づきや春からの変化がよく伝わるような写真になるよう試行錯誤していた。[発表ノート]に使う2枚より多くを撮影して後から選んだり、撮った直後にすぐ写真を表示し吟味して取り直したりする姿が見られた。

写真を撮ることで、スケッチに時間を費やすことがなくなるとともに、さまざまなアングルの写真をまとめに活用することができるようになり、児童の活動に対する意欲を高めることができたと思われる。

3観察したことを発表ノートにまとめる

発表ノート

2で撮ってきた写真を使ってヘチマの様子をまとめる場面で[発表ノート]を活用した。[発表ノート]の新しいページを準備し、タイトル、天気、気温、観察した様子、夏との違いなどを、写真、付箋、矢印などを使ってまとめていった。その過程で、内容によって、付箋の色や文字の色、矢印の色を変えたり、配置を修正したりすることを通して、[発表ノート]の見やすさも追究していた。「コメントの背景を秋だから茶色に…。」など、こだわったり楽しんだりしながら作成していく姿が見られた。入力は、操作方法やローマ字入力で困る場面が数多く見られたが、すぐに近くの友だちに聞いたり先生や支援員を呼んだりして解決しながら進めていた。また、児童が撮った写真だけでなく、教師が撮った写真も使えるようにしたことで、2ではヘチマを下から見上げるだけであったものが、見下ろす視点も追加され、ヘチマを多角的に観察しまとめる手立てとなった。この活動に30分の時間を充てたところ、半数以上の児童が入力を完了でき、夏に比べて半分以下の時間で作成できるようになっていた。

▲ 児童がまとめた[発表ノート]
▲ 操作方法や入力に困ると、児童同士で解決する姿も

こんな場面でも使える!実践を振り返って

小学校4年生でも、経験を重ねれば、1時間の中で写真を撮って[発表ノート]に貼り付け、コメントを入力して自分のノートを完成させられることが分かった。[発表ノート]を使えるツールにしていくことで、今後のあらゆる教科や特別活動の中で生かしていくことができると感じた。

手書きを書き直しする場合、一部もしくは全部を消さないといけないが、[発表ノート]を活用したことで、追記、削除、配置換えが短時間でできるようになり、児童がまとめに費やす時間を有効に活用することができた。

(2022年6月掲載)

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