実践レポート
- 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫する。
- 目的を意識して、中心となる文を要約する。
全8時間の計画のうち、6時間目を本時とした。前単元「世界にほこる和紙」において、文章中からトピックセンテンス(段落の中心となる文)を基に要約する活動を行った。本単元では、伝統工芸に関する書籍を区内図書館から集め、児童が選んだ本を基に要約しリーフレットを作る計画とした。第1時において、[シンプルプレゼン]機能の1スライドが30文字かつ、写真を5つ以内にする機能などを確認した。第5時までに、児童は自分の選んだ伝統工芸について[シンプルプレゼン]を意識してノートに要約している。本時では、児童が伝えたいことを端的に表す写真と文を[シンプルプレゼン]にまとめることができた。紙ベースでまとめるよりも文字を書いたり消したりする作業への抵抗が少なく、写真の編集も容易に行うことができた。
シンプルな画面にまとめたことで、次のような利点があった。全員が読みやすい字でまとめることができた。また、写真や文字の配置を工夫することができた。画用紙などで作るリーフレットと比べて、児童が一人で題材を選び、撮影し、トリミングし、貼り付け、レイアウトの工夫を考えることが容易にできた。文章を入力したときの間違いの訂正が容易に行えるので、紙と比べて間違えることへの抵抗が少なかった。そのため、最後まで児童が集中力を切らさずに取り組むことができた。
また、書籍からの引用だとそのまま写す児童もいて、長文になりがちである。しかし、事前に文字数や画像の数に制限をかけていたことで、入力する際により重要な言葉や文章を選ぶ姿が見られた。これにより、伝えたいことをより焦点化して入力することができていた。
下書きの入力を迷う児童には、他の児童が作成している[シンプルプレゼン]を電子黒板に映し出すことで、入力の見通しをもてるようにした。また、写真や文のレイアウトを工夫している児童の画面を共有することで、他の児童が参考にすることができた。
画像を選択し電子黒板に映すことができるので、特定の児童の作業を止めることなく提示することができた。児童は座ったまま自分の画面を見せたり、友達の画面を見たりできたことで、学び合いに集中することができた。
今回、『SKYMENU Cloud』を使用してみて、児童と教師にそれぞれにとって使いやすいツールであると感じた。他のプレゼンソフトと比較してみたときに、[シンプルプレゼン]には印象づけるアニメーションなどが搭載されていないため、本当にシンプルなプレゼンが完成する。授業として扱いたい部分が強調されるため、評価をするときも分かりやすい。完成したプレゼンを友達と比較しても、強調される「かっこよさ」に左右されないため、児童同士でも適切に評価し合うことができた。「友達の考えた文章と選んだ写真が合っていて分かりやすかったです。」という感想をもった児童もいた。
一方で、入力規制に引っかかった時にでる「!」のマークは、初見の児童にとっては分かりづらかった。触ると何がいけないのかわかるようになると、より多くの学年でも使えると感じた。
(2022年2月掲載)