実践事例

中学校1年 技術・家庭科児童1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

オリジナルラックを紹介しよう

単元名:材料と加工の技術

長谷川 開教諭

長野県松本市立梓川中学校

本時のねらい

オリジナルラックの作成から工夫点等をまとめてきた生徒達が、自分の製品の良さや工夫点をわかりやすく友に伝える場面で、声の大きさやレイアウトなどに注意をして発表することを通して、自らの学習活動を振り返り、発表資料の改善点について気づくことができる。

授業の実際

これまで、技術分野の授業では、生徒は、教師が準備した学習カードにその授業のまとめや振り返りを記入していた。しかし、生徒が疑問に感じたこと、気づいたことなどを共有し、次の授業につなげるための教師の支援が十分でなかった。そこで、生徒が授業毎に作品の工夫した点、うまくいかなかった点などを画像として保存し、『SKYMENU Cloud』の[シンプルプレゼン]機能を活用しながら学びの軌跡を記録することで、デジタルポートフォリオとしてまとめることができた。さらに生徒は、それらを発表したり、リアクションを共有したりすることで、自らの学習活動を振り返り、次の授業への見通しをもつ等、学習を調整していく姿が見られた。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1作品紹介のためのスライドショー

シンプルプレゼン(レベル1)

問題を解決するために製作したオリジナルラックを紹介するために、『SKYMENU Cloud』の[シンプルプレゼン]を使ってスライドショー作りに取り組ませた。

 [シンプルプレゼン]のスライドショー作成ソフトの機能にはアニメーション効果や効果音が無いなど制限がある。しかし、発表内容としての素材(写真などの画像と文章)を考えさせたり、少ない要素で効果的なアピールの工夫をさせたりするには大変扱いやすいソフトウェアである。写真の挿入もタブレットならではで、[シンプルプレゼン]上のボタン1つですぐに撮影、挿入までできる。フォントの色や大きさ、簡単な効果も直感的な操作でつけられるようになっている。生徒は、簡単なガイダンスで操作を覚え、思いのままにスライドショーを作成していくことができた。また、ここでは制作のレベルを「レベル1」とし、文字数やスライド数の制限が一番易しいレベルで扱い、極端に長い文章がスライドショーに入れられないようにすることで、自然と伝えたいことが絞られて「シンプル」なスライドショーになった。

自分が制作したスライドショーを見せるのもタブレットを使い、4~5人の小グループで発表を見合う機会を設けた。特に原稿を用意することは無かったが、ページごとに伝えたいことがまとまっているので、生徒は自分の思いをスムーズに話しながらスライドショーのページをめくっていくことができた。ただ、タブレットの画面(10インチ)では小さいので、発表を見る生徒は小グループの中でも席を移動したり、画面の角度を微調整したりする必要があり、短時間でグループ全員のスライドショーを見合うには、課題が感じられた。

2場に応じた提示方法の選択

画面提示・画面一覧

『SKYMENU Cloud』の[画面提示]機能は授業者や生徒の画面を学習者機の画面に映し、情報を共有化するのに便利な機能である。しかし、場面や目的に応じてプロジェクタ投影と[画面提示]機能を組み合わせたり選択したりすることで、授業の幅がより広がる。

今回のようにプレゼンテーションを発表する場面を考えると、プレゼンテーションはスライドだけではない。身振り手振りや、ターゲットに向けて発する言葉によって完成する。つまり、グループ内でのプレゼンテーションならばタブレットモードにした端末、全体発表の場にはプロジェクタを使用した方がより伝わりやすい。全体発表の際には[ロック]機能を使うことでより発表者に集中できる。

こんな場面でも使える!実践を振り返って

単元末で問題解決に向けてどのように取り組んできたのかを振り返り、自身によって表現することは、課題の解決策を構想した結果や、さらに次の課題の解決へとつなげる場面として重要である。
今回のように[シンプルプレゼン]機能や[発表ノート]を使うことで、準備の中で画像を通して客観的に製作物を捉えたり、仲間のスライドから比較したりすることもできる。学習カードだけでは表現しにくい「こう使いたい」「こうなるはずだった」を表現するのに最適であると考える。機能を制限し、直感的な操作感にしたからこそ短時間でまとめることができるのも魅力であると考える。クラウドで扱う以上、ネットワークの状態に多少左右されてしまう場面も見られるが、製作物を家に持ち帰って実際の使用を撮影できたりすることも考えられたり、表現の幅が広がったりすることを考えれば十分ではないかと思われる。

(2022年1月掲載)

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