実践事例

中学校3年 数学生徒1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

二次方程式の利用~花壇の面積を求めよう~

単元名:3章 二次方程式 二次方程式の利用

渡辺 優樹教諭

長野県松本市・山形村・朝日村中学校組合立鉢盛中学校

レポート作成

田中 いずみ教諭

長野県松本市立清水中学校

宮澤 まゆみ教諭

長野県松本市立安曇小中学校

藤原 賢志教諭

長野県松本市立会田中学校

本時のねらい

主眼

二次方程式の解き方を学んだ生徒が、チューリップ畑につくる道幅を求める問題を解こうとする場面で、問題の内容を図に書き込みながら式化し、その解を視覚的に吟味することを通して、現実の課題を数学的に考察することができる。

学習問題

図のような縦の長さが15m、横の長さが16mの長方形の土地に、同じ幅の道路が2本あるチューリップ畑をつくります。チューリップを植える部分の面積が210m²になるようにするには、道路の幅を何mにすればよいですか。

  • 以上のように学習問題を示し、タブレット上で面積をどのように求めたらよいかを操作しながら解決していく場面を設定した。

授業を行う上での留意点

  • 問題内容を図に表す場面で、試行錯誤しながら考えるため、『SKYMENU Cloud』の[発表ノート]を利用する。
  • 『SKYMENU Cloud』を利用して生徒の考えを教師が集約し、全体に共有する。
授業の実際

授業の流れ

① 課題把握・追究
  • 学習問題である道路の幅を求める問題を把握する。
  • 全体で見通しを確認する。
② 個人追究
  • 『SKYMENU Cloud』の[発表ノート]を使って、考え方をまとめる。

まとめる内容

◯ 考えのもととなる図(上の図参照) ◯ 長さや面積 ◯ 出来上がった方程式

  • その後、仲間と考えを共有する。
③ 全体での共有と確認
  • 出来上がった二次方程式を解く。
  • 解を求め、条件にあっているか解を吟味し、全体で答えを共有する。
④ 一般化
  • eライブラリの「二次方程式の利用(面積の問題)」ドリルに取り組む。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1問題把握の場面

Microsoft PowerPoint

▲ 教材を提示し、視覚的に問題を把握させる
  • 問題把握の場面で、畑の中に道をつくることを理解させる所で、プリントや黒板で図を提示した。
  • 今回のようにPowerPointで図を作っておくと、道を挿入することが視覚的に簡単に理解できる。
  • この図を示してしておくことで、道を簡単に出したり消したりすることができず、元の畑に意識が戻らない生徒も対応することができる。

2個人追究の場面

発表ノート

▲ あらかじめ[発表ノート]で作成し、配付した問題
  • 『SKYMENU Cloud』の[発表ノート]を利用し、自分の考えを書き込んだ。
  • 式の入力のスキルに個人差があり、思うように入力できない生徒もいたが、考えがまとまった生徒にとっては手書きで入力もでき、発表もスクリーン上で全員がすぐに見ることができるので、有効に活用されていたと感じた。
  • ノートの中に道や畑の部品が保存してあったが、それを上手く活用して道をずらして考える方法を説明できるのは、かなり能力的に高い生徒たちだけだった。
  • 機器の活用が難しい部分もあるが、問題の本質的な難しさの部分なので、それを視覚的に理解できるような手立てが必要だったと思う。

3共同追究の場面

発表ノート

▲ 端末画面を操作しながら考えを話し合う
  • 先生の「近くの生徒と話をしてみて」の言葉がけからタブレットを操作しながら考えを話し合う姿が見られた。
  • 紙面やホワイトボードなどでも同じことができるが、タブレットを使うと図を簡単に元に戻したり式をすぐに書き直したりできる良さがある。
  • さらに、それが友達の画面にも気軽に書き込めることにつながり、話し合いの深まりにもつながると感じた。

こんな場面で使える!実践を振り返って

  • 今回は『SKYMENU Cloud』を中心に活用し、二次方程式の授業を行った。主眼の末部にある「現実の課題を数学的に考察することができる。」という目標について、大部分の生徒が達成できたのではないかと考える。
  • 『SKYMENU Cloud』による全体での共有は、これまでに見たことのない授業方式であった。これまでは黒板に生徒が自分の考え方や解き方を板書し、それを説明していたが、一度に複数の生徒の考え方を共有できた点は、今後大変有効になると考えた。
  • 学習プリントも同時に配布することは必要であると感じた。はじめは、タブレットがあるのだから、ペーパーレスで授業を行う方が効率的ではないかと考えていた。しかし、授業を参観すると、タブレットを見ながら図を動かしながら記入していった生徒もいれば、学習プリントへ書き込み、そこで検証した後に端末へ入力する生徒もいた。
  • 端末の活用に慣れている印象を受けた。しかし、タブレットの使い始めて1年目であるため、まだPC操作に慣れていない生徒もいた。そのための手立てとしてプリントが生かされていた。
  • 授業の後半で、渡辺先生が全員の解答を見ながら、特徴的なものを全体で共有した点は、大変参考になった。また、個人の活動の時間が、50分間のうち半分以上を確保していたことから、生徒が主体的に考え、自由な発想で取り組めたのだと考える。

(2022年6月掲載)

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