実践事例

小学校6年 特別活動、道徳児童1人1台の活用 1人1台×SKYMENU Cloud

目標達成に向けて計画を立てよう!

学級活動:一人一人のキャリア形成と自己表現

諸見里 尚紘 教諭

沖縄県西原町立西原東小学校

授業の様子をYouTubeでご覧いただけます

※再生ボタンを押すと動画が始まります。この動画は音声を含みます。

本時のねらい

自分の家庭学習の仕方を見直し、目標達成に向けて計画を立て、自学自習に取り組むことができるようにする。

授業の実際

本校では、児童に自分の将来の夢について考えさせ、それに向かって自学自習することを推進している。前時(道徳の時間)に「自分の目標のために頑張れているか」と尋ねたところ、立てた目標をクリアできていない様子だった。原因は、設定した目標が高すぎることにあった。そこで、前時では適切な目標を設定し、スモールステップで取り組むことの大切さを学習した。

本時は、前時から1週間後に実施した。冒頭で[ポジショニング]機能を使い、あらかじめ児童に尋ねておいた自学自習の実態や悩みを共有。「何をしていいのか分からない」という児童の回答を紹介し、目標を達成するためには計画(メニュー)が必要であることを理解させた。そして[発表ノート]で作成した整合性の取れていない計画の例を児童に配付。計画を見直す作業を通じて、適切な学習計画の立て方を考えた。

本時の展開

学習の流れ 児童の活動 指導上の留意点

導入

つかむ

道徳の振り返りを共有する。

1目標達成に向かってくじけずに努力することや目標設定の仕方が大切であることを確認する。

アンケートの結果をもとに自分の自学自習を振り返る。

2[ポジショニング]の結果を共有し、自学自習が目標 に向かって取り組めているか考えるようにする。

スポーツの例から計画を立てる必要性に気づく。

  • 計画を立てる必要性に気づかせるようにする。

目標達成のために自学自習のメニューを考えよう!

展開

さぐる

教師が与えた例をもとに目標と計画の整合性について話し合う。

3[発表ノート]に目標と学習計画が不適切である例を記載し、一斉配付。目的に合った計画が必要であることに気づくようにする。

見つける

どんな計画だとよいか考える。

  • 教師が配付した[発表ノート]を[グループワーク]で共有化。ペアで書き換え、目標に適した学習計画を練り合わせる。
全体で共有する。

4[発表ノート]を提出させ、一つの目標達成に対してさまざまな学習計画の仕方があることに気づかせるようにする。

終末

自分の自学自習の仕方を振り返る。

決める

自学自習の計画を立てる。
Microsoft TeamsからWord形式のファイルをダウンロードさせ、計画を立てる。

  • ダウンロードや保存の仕方が分からない児童には[発表ノート]の[資料置き場]で動画を配付する。

事後の指導

児童の活動 指導上の留意点
目標を設定し、計画を立てて見通しを持つ。
  • 目標をしっかりと持たせるようにする。
  • 月曜日の学習タイムに1週間の自学自習の計画を立てるようにする。
  • [ポジショニング]機能で先週の取り組みを振り返る。状況に応じて個別に指導する。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1[発表ノート]で説明し、必要に応じて一斉配付

発表ノート、配付

▲ 説明資料は[発表ノート]で作成し、必要に応じて児童に配付

普段から授業で[発表ノート]を使って説明することが多い。本時では導入場面であらかじめ[発表ノート]で作成した資料を大型提示装置に投影しながら説明した。[発表ノート]は、一般的なプレゼンツールに比べ、児童一人ひとりに簡単にノートを配付できる点が優れている。教室の後ろの席に居る児童は、必要に応じて手元の端末で資料を開いて、細部まで確認できる。

また、1ページ単位で児童に配付できる機能も便利だ。教師が意図した内容を、意図したタイミングで共有できる。授業のネタバレにならないので助かっている。

2自主学習の実態や悩みを全員で確認する

ポジショニング

▲ [ポジショニング]で児童の自主学習の悩みや課題を共有

前時(道徳)の学習から1週間が経過したタイミングで、児童に自学自習の取り組みについて尋ねていた。質問は、[ポジショニング]機能で行っており、本時はその結果を導入場面で提示した。

児童の回答で一番多かったのが「何をすればいいか分からない」というものだった。児童のポジションやコメントを具体的に共有することで、目標を達成するためには計画を立てる必要があることが理解され、本時の課題につなげることができた。

3整合性が取れた自主学習メニューに作り直す

発表ノート、背景化、グループワーク

▲ [背景化]で必要な部分のみ編集できる教材を作成し配付

本時では、あらかじめ「目標に対して整合性が取れていない自主学習メニュー」を[発表ノート]で作成しておき、それを児童に一斉配付した。配付した自主学習のメニューは、[背景化]の機能を使うことで、学習に必要な部分以外を動かせないようになっている。児童は、学習課題に集中して取り組むことができていた。

4友だちの[発表ノート]で気づきを得る

発表ノート、提出箱、学習者同士での閲覧設定

▲ [提出箱]で友だちの考えを見て、気づきを得る

児童が修正した、より適切な自主学習のメニューを[提出箱]に提出させた。児童が[提出箱]を相互に閲覧できるように設定を変更すると、考えが浮かばず、課題に手がつかなかった児童が早速閲覧。ほかの児童の考えから気づきを得て、手が動き始める様子が見られた。

また[提出箱]は、設定を変えれば授業時間外でも提出できるので、児童が自分のペースで取り組める良さがある。家で深く考えてから提出してくれる児童もいる。書くことに苦手意識のある児童が積極的に回答する傾向も見られ、活用メリットを感じている。

こんな場面で使える!実践を振り返って

ポジションで一人ひとりの状況が一目瞭然で分かり、コメントでそれぞれの考えや悩みもつかめる

本実践後、毎週月曜日を1週間の自学自習の計画を立てる日に設定した。その際、[ポジショニング]で、先週の自学自習について振り返らせた。[ポジショニング]で児童の回答を見ると、ポジションで一人ひとりの取り組み状況が一目瞭然で分かり、コメントでそれぞれの考えや悩みもつかめる。「できている」側にポジションを置いた児童は「自学自習の計画表を作ってからは、今日は何をやろうかと悩まずに済む」「計画表で管理できているから、1週間の取り組みを振り返りやすく、前よりも手ごたえを感じている」といった感想が見られた。

▲ [ポジショニング]で先週の自学自習について振り返る

一方で、「できていない」側にポジションを置いた児童に対しては、例えばコメントに応じて「目標に対して、立てた計画のレベルが高すぎたのではないか」「もっと自分に合った自学自習の計画を見直してはどうか」といった声掛けをすることができた。今後も[ポジショニング]を使った振り返りを継続し、個別最適なアプローチで、児童の夢の実現に向けた学びを支えたい。

(2023年3月掲載)

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