本時は、Program7内に出てくる新出文法事項を活用した、Interactパートの授業を実施する。ここでは、「千葉市にあったらいいと思うもの」について、事前の授業で習った仮定法過去を正しく使用し、自分の考えを相手に適切に伝えることができるようになることをねらいとする。
本単元では、新出文法事項である仮定法過去を使用し、自分たちの住む千葉市にあったらいいと思うものと、もしあったらしてみたいことについて英文を書き、会話形式で伝え合う活動を行うことで、文法事項の定着を図る。
本時の授業では、事前の授業内で作成した英文をもとにペアでの会話活動を複数回行うとともに、活動のまとめとして、本時の内容の定着度を確認するスピーキングテストを行う。スピーキングテストは、予め録画しておいた教師とALTの動画を添付した『SKYMENU Cloud』[発表ノート]を使用する。生徒は教師の質問を聞き取り、それに対する自分の答えを録画して提出する。
前時に学習した文法事項の復習として、文字を並べ替えて場面に合った英文を完成させる活動を行った。[発表ノート]のテキストボックスを単語カードとして活用した。テキストボックスを移動させるだけで英文を完成させることができるため、文字を書くことが苦手な生徒にも取り組みやすく、短時間で文法事項のポイントを確認することができた。
展開①で行った会話活動の定着を確認する目的で、[発表ノート]でスピーキングテストを行った。ここでは、今回の会話の内容に関するALTからの質問動画が添付された[発表ノート]を生徒に配付。生徒は質問に対する答えを動画で撮影し、[発表ノート]に添付して提出した。この方法により、英語に苦手意識があったり、普段発表できなかったりする生徒でも、臆することなく会話練習を行えた。
動画を使用して行うため、生徒は自分が納得できるまで質問を聞き直したり、答えの動画を撮り直したりできた。
返却された[発表ノート]を受け取った生徒はA+の評価が付くまで何度でも再挑戦して良いことにした。対面でのスピーキングテストでは、時間的制約から1回になりがちであったが、[発表ノート]を使用すると、最初にできなかったところを見直し、できるまで挑戦できる。生徒の主体的な取組を促したり、教師も、個々の生徒に対して細かくフォローしたりできるようになった。評価の観点については、テスト実施前に予め生徒に提示した。
本実践は、コロナ禍でペアやグループでの言語活動が制限されていた時期に、少しでも生徒が実際のコミュニケーションの場面に近い状況で英語を使えるようにと考えたものである。生徒が何度もテストに挑戦できるだけでなく、教師も動画を繰り返し確認できるので、活動の制限がなくなった現在もこの手法で行っている。動画を見て答えるという性質上、どうしても一問一答形式になってしまうのだが、短時間で手軽に取り組めるため、生徒の実態や普段の会話活動のまとめの手段として、大変有効だと考えている。