実践事例

中学校2年 社会生徒1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

門前町活性化プランを提案しよう

単元名:地域の在り方

増田 和将教諭

愛知県豊川市立金屋中学校

本時のねらい

豊川市が誇る観光地の一つである豊川稲荷は、毎年多くの観光客が訪れる。しかし、コロナ禍により観光客数が激減してしまった。そんな豊川稲荷の門前町が、持続的に集客数を保つための活性化プランを、多面的・多角的な視点で考察し、構想することができる。

授業の実際

本時は、伊勢市や犬山市の賑わいの様子を調べながら、豊川市でも取り組めそうなことを考えた。前時では、伊勢のおかげ横丁と犬山の城下町を「景観」、「名産品」、「地理的な位置」、「観光スタイル」の4つの視点で調べた。その後、調べた事実を比較しながら、伊勢の「宿泊型」、犬山の「日帰り型」の観光スタイルに着目させた。そして、どちらを参考にするのがよいかについて[ポジショニング]を活用して各々の意見を集約し、共有した。その画面を見ながら、仲間どうしでそれぞれのメリット、デメリットを説明したり、議論したりしながら、門前町活性化プランにどちらの観光スタイルを取り入れるか、または別の解決策を提案するかを考えた。話し合いでは、伊勢市と犬山市の良いところを取り入れて新しい観光地をつくるという意見や、既存の観光資源を生かすというような、様々な視点で考えることができた。

SKYMENU Cloud活用のポイント (効果と児童生徒の反応)

1考えを共有し、自分の考えを見つめ直す

ポジショニング

▲ 調べたことを根拠に[ポジショニング]で立場を示す

授業の展開では、『SKYMENU Cloud』の[ポジショニング]を活用し、調べたことを根拠にして写真のように自分の立場を明確にした。

仲間の意見を重ね合わせることで、立場の違いが瞬時に明らかになった。従来は、自分の名前の書かれたマグネットを黒板に貼り付けて立場を表明していたが、すぐに意見を集約し、提示できるのはとても魅力的であった。

その後、グループで自分の立ち位置を示しながら「なぜ、そう考えたか」という理由を交流した。仲間の意見を聞くことを通して新たな視点が生まれた生徒もいたようで、意見を聞きながら自分の立場を修正する生徒もいた。

また、図の赤枠部のように、同じ立場でも微妙な位置の違いがあった。これは、着目している根拠に迷いが生じているからだと考えられる。このように、その微妙な心の揺れを表現することができるとともに、すぐに移動できるということが魅力であると感じた。

2自分の考えを整理してまとめる

発表ノート

▲ 生徒が[発表ノート]でまとめた活性化プラン

単元のまとめとして[発表ノート]を活用して、活性化プランを個人でまとめる活動を行った。

図のように、自分なりに考えた解決策とともに、それによって考えられる効果を構造的に表している生徒がみられた。この例を広げるために、大型モニターに提示し、共有した。すると、他の生徒も付箋の色を分けて表現するようになった。このように、個々の画面を手元で確認したり、すぐに共有したりすることで、より分かりやすい授業のまとめを生徒が作成することができた。

こんな場面で使える!実践を振り返って

社会科では価値判断を迫られる場面が多くある。そんな場面で物事をより深く考えるためには、自分の考えを明確にするとともに、他者はどんな意見をもっているか、その視点はどこにあるかという点をもとに考えを練り直すことが大切である。従来は、ノートを見せ合ったり、数人の生徒の画面を提示したりしており、全員の考えを生かすことに難しさを感じていた。『SKYMENU Cloud』を活用することで、瞬時に全員の考えを共有できるようになったとともに、個々に対する指導も充実した。

(2022年4月掲載)

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