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Sky株式会社

公開日2026.01.22

教員におけるタスク管理の重要性とポイントを解説

著者:Sky株式会社

教員におけるタスク管理の重要性とポイントを解説

教員は日々、授業準備や児童生徒のサポート、保護者対応など、さまざまな業務に対応しています。タスク管理が十分でなく、タスク漏れが発生した場合、児童生徒や保護者からの信頼の喪失といった重大な問題を招く可能性があります。その一方で、文部科学省は学校における働き方改革を進めており、勤務時間・健康管理を意識した働き方の推進などを各自治体の教育委員会に通知しています。限られた勤務時間内で業務を効率的に進めるために重要なのが、タスク管理です。本記事では、タスク漏れが発生する要因やタスク管理する際のポイント、ICTを活用した業務改善などについて解説します。

教員のタスク漏れが発生する要因

教員の業務は、授業、校務、保護者対応など多岐にわたります。授業やホームルームで各教室にいる時間が長く、校内を移動する場面も多いため、勤務時間内に職員室で落ち着いて作業できる時間はほとんどありません。隙間時間にタスクを対応していくとなると、それらの進捗を正確に把握し、整理するのは大変難しいのではないでしょうか。また、口頭や紙ベースでの連絡手段をメインとしている学校も多く、タスク漏れにつながっていると考えられます。

また近年、日本では教員不足が深刻化しており、教員一人ひとりの負担やタスク自体が増加している傾向にあります。実際に、タスクが多いことで業務の持ち帰りや残業が発生しています。文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)の集計(確定値)について」によると、1日あたりの平日の持ち帰り時間は小学校37分、中学校32分、土日は小学校36分、中学校49分でした。2016年度と比べると、持ち帰り時間は若干増加しています。 さらに、文部科学省が2025年1月に開催した「第15回質の高い教師の確保特別部会」の教師の「働きやすさ」と「働きがい」実現プランの中でも、学校現場からの声として「学校現場の業務が多すぎる。業務量を減らして欲しい」「健康に働くことができる職場環境を整えて欲しい」といった声が挙がっていることが記載されています。

教員不足について、その要因や改善に向けた取り組みをご紹介した記事はこちらからお読みいただけます。

教員がタスク管理を行う重要性

タスクとはそもそも、業務を最小単位の作業に分けたものを指します。タスク管理では、業務をタスクの単位に分割し、優先順位をつけながらそれぞれの進捗状況を確認します。タスク管理を適切に行うことができれば、

  • 優先順位をつけて効率よく仕事を進められる
  • 処理漏れを防げる
  • チームや仕事の全体の進捗を管理できる

といった効果が期待できます。

タスク管理をすることで仕事の全体像と優先順位を把握できるため、今日中にこなすべき作業と、後日に持ち越してもよい作業の見分けができるようになり、時間外勤務を減らすことにつながります。また、タスクを共有しやすくなるため、文部科学省が初等中等教育で推進しようとしている学校組織の在り方「チームとしての学校」の実現にも近づきます。逆にタスク管理ができていないと、業務が滞るだけでなく、保護者や児童生徒の信頼が低下するなど深刻な問題に発展する可能性もあります。

教員がタスク管理を実践する5つのステップ

では、実際に教員がタスク管理を実践する場合、どういった手順で行えばよいのでしょうか? ここでは、5つのステップに分けてご紹介します。

STEP1:自分が抱えているタスクを把握する

タスク管理はまず、タスクをすべて棚卸して書き出すことから始めます。自分がどんなタスクを抱えているのか、全容がつかめていないと、正確に優先順位を判断したり、スケジュールを調整したりできません。後述しますが、タスクを管理する具体的な方法としては、付箋やメモなどの手書き、表計算ソフトウェア、タスク管理ツールなどが挙げられます。

STEP2:タスクを細分化し優先順位づけをする

タスクを把握したら、できるだけ具体的な内容に落とし込みましょう。例えば「研究授業の準備」という業務についてタスク管理をする場合であれば、以下のように業務達成に必要なタスクを細かく書き出すようにします。

  • 授業目標、題材の設定
  • 児童生徒の実態把握
  • 指導案の作成
  • ワークシートなど、教材の準備
  • 関係する先生方との打ち合わせ
  • 教室レイアウトやICT機器の動作確認
  • 記録係や撮影の手配
  • 授業リハーサル                など

タスクをリストアップできたら、それぞれのタスクについて処理の見込み時間と期限を確認し、優先順位をつけていきます。重要度と、速やかに対応する必要性の有無の両面を踏まえて順番を決めると、スムーズに進められます。

STEP3:余裕を持った作業時間を設定する

細分化した各タスクについて、おおよその作業時間を見積もります。先ほどの「研究授業の準備」で考えられるタスクの場合、指導案作成には3~5時間、関係する先生方との打ち合わせには1~2時間、教室レイアウトやICT機器の動作確認にはそれぞれ30分など、おおよそでよいので必要な作業時間を考えておくことが大切です。目安を決めておくことで、追加のタスクが発生した際にも、再調整がしやすくなります。

STEP4:実際のスケジュールに落とし込む

優先順位とおおよその作業時間が決まったら、タスク処理の計画を作ります。カレンダーやガントチャートなど、実際のスケジュールに落とし込むことで、期限がひと目でわかる形式にしておくことが大切です。タスク管理機能を備えたツールを使えば、複数のタスクを整理して可視化できるほか、リマインダー機能によってスケジュール管理を徹底できます。

STEP5:常時タスクリストを最新の状態にする

タスク管理では、計画と現状をこまめに照らし合わせ、タスクの内容を定期的に見直すことが大変重要です。もしタスクに遅れが生じている場合はほかの人の助けを得るなどして早期に処理する必要があります。また、スケジュールの再調整は早ければ早いほど負担なく行えます。出勤・退勤時や午後の授業終わりなどに、自分でタイミングを定めてタスクを確認するくせをつけることで、効率的なタスク管理を実現できます。

おすすめのタスク管理方法3選

では、タスク管理方法にはどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、タスク管理方法として代表的なものを3つお伝えします。

付箋やメモ

最もシンプルかつ簡単な方法が、付箋やメモによる手書きです。タスクを書き出し、終わったら線を引いて消したり、メモごと廃棄したりします。メモをホワイトボードや黒板に貼っておくことで、ほかの教職員とタスクの進捗を共有できます。

表計算ソフトウェア

表計算ソフトウェアによるタスク管理も、よく使われる方法です。シートにタスクの名称や開始日、期限日、メモ欄などを入力して管理します。このシートを共有フォルダに置いておくことで、教員間で簡単に情報共有できます。表計算ソフトウェアは、新たなコストをかけることなく、わかりやすくタスクを管理できるのがメリットといえます。

全国の学校における働き方改革事例集(令和5年3月改訂版)でも、時間割やその他共有すべき情報をGoogleスプレッドシートに落とし込み、共同編集機能などを使って管理することで、業務の効率化につながった事例が紹介されています。

タスク管理ツール

タスク管理に特化したツールを使えば、手間をかけずに効率的にタスク管理を行えます。例えば、ToDoリストアプリの場合、タスクを作成・編集・削除できるほか、期限の設定やタスクの検索、重要度などに応じたタグ設定などをアプリ上で簡単に行えます。また、リマインダー機能のついたアプリを選ぶことで、タスク漏れも防げます。ただし、導入する際はコストがかかるため、PCやスマートフォンなど複数のデバイスに対応しているかなど、自分にとって必要かつ業務効率化につながる機能が備わっているかどうかをしっかりと確認することが大切です。

ICTツール活用による業務改善と意識改革

先ほどタスク管理ツールについてご紹介しましたが、こうしたICTツールを活用することで、タスク管理がしやすくなり、業務改善につなげられます。全国の学校における働き方改革事例集(令和5年3月改訂版)には、ICTを活用して校務に関する働き方改革を実践する学校の具体的な事例が多数掲載されています。

ある学校では、毎日の伝達事項を教職員が持つ端末からいつでも見られるように改善しました。特別教室の利用予約については、従来の手書き入力からGoogleスプレッドシートやGoogleカレンダーを活用した運用に移行。これまでに頻発していた予約漏れやダブルブッキングなどのトラブルが減少しているといいます。また、別の学校では、保護者からの連絡や学校行事の連絡といった教師ごとに共有しなければならない事項について、タブレット端末を積極的に活用。口頭・メモによる伝達に比べると、連絡が容易にできるようになり、履歴が残ることから回答期限をより意識するようになるといった効果が表れています。

このほかにも、クラウドサービスを用いて保護者と面談の日程調整をしたり、作成した教材について同じ教科を受け持っている教員同士で共有したりするなど、ICTを効果的に活用した事例が多く紹介されています。

学校における働き方改革についての解説記事や、ICTを活用した学校でのペーパーレス化をテーマにした記事は、以下からご覧ください。

まと

ここまで、多岐にわたる教員のタスクを漏れなく管理するポイントやその重要性について解説しました。業務改善のためには、ICTツールを活用して適切なタスク管理を行うことが大切です。教育現場の働き方改革を進める上で、この記事が一助になれば幸いです。

ICT活用によるタスク管理は、「SKYMENU Mobile」

民間企業では当たり前となってきた業務用のスマートフォン。近年、学校現場でも「GIGAスクール構想」によってICT環境の整備や校務の情報化が進むなか、学校用スマートフォンの整備が始まってきています。「SKYMENU Mobile」は、校務の情報を安全に、確実に、そして効率的に扱えるよう設計された、教育現場専用の業務支援アプリです。安全なカメラ活用や業務の可視化を支援する機能、校内Wi-Fiを活用した通信コストをかけない通話機能など、教育現場に特化したさまざまな仕組みをご用意しています。

中でも、本記事でご紹介したタスク管理に活用できるのが、[ToDoプラス]機能です。タイトルに業務を入力するだけで、ToDoを登録できるので、業務を整理しやすくなります。また、依頼先にToDoを設定することもできるため、必要な先生への業務連絡や状況の把握、情報共有がスムーズになります。さらに、管理職が各教職員のToDoから業務負荷を確認できる機能もあります。将来的には、AIによるToDo分析が可能なダッシュボードの搭載を検討しており、より適切なサポートにつながる環境を整備する予定です。機能改善を重ねる、「子どもの安全」と「先生の安心」の両立を、スマートフォンアプリから実現します。

SKYMENU Cloud コラムサイト編集部

SKYMENU Cloud コラムサイト編集部は、児童生徒1人1台端末をはじめとするICT教育の活用に関する情報を発信しています。
「SKYMENU Cloud」を開発・販売するSky株式会社には、教育情報化コーディネータ(ITCE)資格取得者が多数在籍し、大学の先生方との共同研究に取り組むなど、学校に求められるソフトウェアの実現を目指しています。