教育現場では写真のクラウド共有が便利! 私用端末利用の危険性、著作権のリスクについても解説

学校行事や授業の記録など、教育現場では写真を撮影する機会が多くあります。従来は撮影したデータをUSBメモリやメールを使って共有していましたが、GIGAスクール構想によって、ネットワーク環境が整ったことで、クラウド上でデータを共有することが増えてきました。一方で、アクセス権の設定ミスや不正ログインなどクラウド特有のリスクも存在します。本記事では、教育現場で写真データをクラウドで共有することのメリットをはじめ、注意点などについてご紹介します。
教育現場における写真撮影・写真共有の現状
教育現場では、授業や行事の記録、学級だよりへの掲載などの目的で、教員が写真を撮影する機会が多くあります。これまでは、情報機器の利用や写真撮影に関するルールが明確に定められていない自治体や学校も多く、学校で購入したデジタルカメラだけでなく、教員の私用のスマートフォンが使われるケースもありました。
しかし、私用スマートフォンを使った盗撮事案の発生などにより、文部科学省は2025年7月に服務規律の確保の徹底を求める通知を出し、学校内での私用スマートフォンの使用に関してより厳しく禁止する方向に進んでいます。
撮影した写真の共有についても、以前はUSBメモリやメールが一般的でしたが、GIGAスクール構想によるICT環境の整備により、クラウド上に共有フォルダを作成し、写真を共有できるようになりました。ただし、クラウド上での共有が可能になっても、撮影データをPCへの取り込む作業は必要です。また、私用スマートフォンを利用した場合、端末内に写真が残ることで子どものプライバシー保護に関する懸念が生じていました。
教育現場で写真を共有する主な場面
教育現場で写真を共有する場面は、非常に多岐にわたります。代表的なのは、学級だよりや学校だよりに掲載する写真です。子どもたちの活動の様子を保護者に伝えるため、日常的に撮影・共有が行われています。
また、研究授業では、授業の様子を記録し、指導方法の改善や事例共有に活用されます。そのほかにも、学校行事や課題活動の記録を地域に発信する広報活動においても、写真は欠かせないものです。
教育現場で写真をクラウド共有するメリット
クラウド共有は、教育現場での写真管理を効率化し、セキュリティを高める重要な仕組みです。ここでは、主なメリットを紹介します。
複数端末でのデータ共有
クラウドで写真を共有すれば、複数の端末から同じデータにアクセスできます。これにより、教員同士が授業記録や行事の写真を迅速に共有でき、校内での情報連携がスムーズになります。
従来のUSBメモリやメールによるやりとりでは、個別にデータを共有する手間やデータ管理の煩雑さが課題でしたが、クラウドでの共有によりこれらを解消できます。
不必要な持ち出しが発生せず、紛失リスクがない
クラウドでの共有を導入することで、USBメモリに写真データを保存して持ち出す必要がなくなります。従来は、共有のために外部メディアを使用する過程で紛失や情報漏えいのリスクがありました。
クラウド上で安全に管理することで、物理的な持ち出しを防ぎ、セキュリティを大幅に向上できます。
データの自動保存
私用スマートフォンの利用が問題視されるなか、注目されているのが、校務用スマートフォンです。校務用スマートフォンで利用できる専用アプリの中には、撮影した写真を自動的に校内クラウドへアップロードできるものがあります。
この仕組みにより、USBメモリやメールでの写真の共有作業が不要になり、保存漏れに加えて、USBメモリ・SDカードの紛失のリスクを大幅に減らせます。さらに、撮影データのクラウドへのアップロード後、端末内にデータを残さない仕組みがあれば、子どものプライバシー保護にも効果的です。
教育現場で写真をクラウド共有する際に注意すべきリスク
クラウドでの写真共有は、業務効率化に大きく貢献する一方で、クラウド特有のリスクを理解して、適切な対策を講じることが不可欠です。
まず、リスクとして挙げられるのが共有リンクの誤送信や設定ミスです。クラウドサービスでは、リンクを送るだけで簡単にデータを共有できますが、送信先を誤ったり、公開範囲を「全員閲覧可能」に設定したりすると、子どもたちの写真が第三者に流出する恐れがあります。
次に、アクセス権限の不備です。フォルダやファイルの権限設定が適切でない場合、校外の関係者や不特定多数が閲覧できる状態になる可能性があります。特に、権限管理を怠ると、個人情報保護の観点から重大な問題につながります。
さらに、認証情報の漏えいによる不正ログインもリスクの一つです。IDやパスワードが流出すれば、外部からクラウドにアクセスされる危険があります。強固なパスワード設定や二要素認証の導入が必要です。
また、私用端末からのアクセスにも注意が必要です。文部科学省の通知では、不適切な写真の撮影防止の観点から、私用スマートフォンでの撮影や保存を禁止する方針が示されています。公的に支給された端末以外でクラウドにアクセスすると、端末内にデータが残ったり、ウイルスに感染したりするリスクが高まります。
クラウド共有は便利な仕組みですが、安全に運用するためには、権限管理、認証強化、公的な端末の利用、バックアップなど、技術的・運用的な対策を組み合わせることが不可欠です。
教育現場でトラブルを防ぐ写真撮影・共有時のルールとマナー
肖像権や個人情報保護などの観点から、写真の撮影や共有時に、適切なルールとマナーを守らなければトラブルにつながる恐れがあります。ここでは、撮影時の声かけや事前承諾、共有時のアクセス制御など、具体的なルールとマナーを紹介します。
撮影時のルールとマナー
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肖像権や個人情報保護への配慮
子どもたちの顔が判別できる写真や動画は個人情報に該当するため、学校のWebサイトなどで使用する際には、あらかじめ保護者への同意が必要です。 -
撮影時の声かけや事前の承諾
子どもたちの顔など個人が特定できる写真が学校関係者以外の目に触れることを不安に感じる、保護者もいます。そのため、写真を撮影する前に、撮影する写真の利用目的、利用範囲を本人と保護者に説明し、同意を得た上で撮影することが望ましいとされています。
共有時のルールとマナー
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アクセス制御
クラウドで写真を共有する際は、閲覧できる範囲を必要な人に限定できる仕組みがあります。学校の状況に応じて、こうした権限設定のルールを設けておくことで、情報を安全に管理しやすくなります。 -
私用端末の利用禁止
文部科学省の通知でも、不適切な写真の撮影を防止する観点から、私用スマートフォンでの撮影・保存は問題視されています。学校用スマートフォンを導入し、専用アプリを使用すれば、撮影したデータを自動的にクラウドで保存され、端末内にデータを残さないことも可能です。また、自動的にクラウドにアップロードされるため、写真を共有する手間を省けます。
情報セキュリティポリシーにのっとった環境構築のポイント
GIGAスクール構想の推進により、教育現場では写真共有だけでなく、成績情報や校務データなど多様な情報資産を扱う機会が増えています。クラウド化やネットワーク統合によって利便性は向上しましたが、その一方で情報漏えいや不正アクセスのリスクも高まっています。こうした脅威から教育情報を守るためには、教育情報セキュリティポリシーの策定や見直しが不可欠です。
文部科学省が2025年3月に公開した「教育情報セキュリティポリシーハンドブック」では、教職員等の遵守事項として、「自宅や学校外等での情報処理作業においても支給された端末を利用することとし、支給以外の端末等は原則利用してはいけません」と明記されています。
また、USBメモリや私用端末への校務情報の保存をはじめ、承認されていないクラウドサービスの業務利用を禁止することも示されています。特に、私物端末の利用は不正プログラムの持ち込みや情報漏えいのリスクが高く、大変危険です。
教育委員会や学校が管理する公式サービスや支給端末のみを利用することが重要であり、外部持ち出し時には許可制とし、ログ管理や暗号化などの安全対策を講じる必要があります。
加えて、MDM(モバイル機器管理)を活用して端末を一元管理し、紛失時には遠隔ロックやデータ消去を可能にすることで、セキュリティレベルを維持できます。さらに、アクセス権限の適切な設定やネットワークの暗号化、二要素認証の導入も欠かせません。
こうした技術的対策に加え、教職員の情報リテラシー向上や運用ルールの徹底といった人的対策を組み合わせることで、教育現場に求められる安全性と利便性を両立できます。
まとめ
教育現場での写真共有は、クラウドの活用により利便性が大きく向上しました。しかし、アクセス権の設定ミスや不正ログインなど、クラウド特有のリスクも存在します。安全に運用するためには、教育情報セキュリティポリシーを遵守し、権限管理や認証強化などで、技術的・運用的な対策を組み合わせることが不可欠です。また、公的に支給された端末を利用することを徹底し、安心してICTを活用できる環境を構築することが必要です。
SKYMENU Mobileで写真データを安全に共有・管理
民間企業では当たり前となってきた業務用のスマートフォン。近年、学校現場でも「GIGAスクール構想」によってICT環境の整備や校務の情報化が進むなか、学校用スマートフォンの整備が始まってきています。「SKYMENU Mobile」は、校務の情報を安全に、確実に、そして効率的に扱えるよう設計された、教育現場専用の業務支援アプリです。
特に、安全なカメラ活用を支援する「セーフカメラ」機能は、撮影したデータを自動的にクラウドに保存。端末にデータが残らない仕組みで、写真データを安全に組織で共有・管理できます。
そのほかにも、校内Wi-Fiを活用した通信コストをかけない通話機能など、教育現場に特化したさまざまな仕組みをご用意。AI機能も搭載することで、「子どもの安全」と「先生の安心」の両立を、スマートフォンアプリから実現します。