校務端末の写真の使い方や保存方法、情報漏えい・盗撮リスクを防ぐ安全な運用を紹介

教育現場では、授業記録や広報、施設管理など、写真を活用する場面が多くあります。しかし、子どもたちの顔が写った写真は個人情報に当たるため、管理や共有には十分に注意が必要です。特に、SDカードやUSBメモリの紛失のリスクをはじめ、教員の私用スマートフォン利用も情報漏えいや不適切な取り扱いにつながる恐れがあります。本記事では、教育現場での写真活用の具体的なシーン、安全な運用ルールやセキュリティ対策などについてご紹介します。
校務端末とは
校務用端末は、学校の教職員が成績管理、出欠管理、時間割作成、保護者連絡など、学校運営に関する業務を行うために使用するPCのことです。教職員は、これらの業務を効率化するために導入されている校務支援システムを校務用端末で活用しています。
校務用と学習用でネットワークが分離されているため、教員は校務用と学習用の2台の端末を活用するケースもあります。さらに現在、多くの自治体では校務支援システムを自前のサーバに構築し、閉域網で運用しているため、校務用端末が職員室に固定されているケースもあります。
文部科学省は、こうした閉域網での運用から脱却し、ゼロトラストの考え方に基づくアクセス制御を導入した上で、校務系と学習系ネットワークを統合する方針を示しています。さらに、パブリッククラウド上で校務支援システムを運用し、汎用クラウドツールとの連携も目指しています。
校務端末での写真活用のシーンと使い方
教育現場では、写真を活用する場面は多くあり、子どもたちの作品の記録や広報、施設管理など、さまざまな目的で学校運営に欠かせない情報として利用されています。ここでは、具体的な活用シーンをご紹介します。
作品の評価
子どもたちの作品を写真で記録しておくことで、スムーズに評価できます。作品の制作過程を残しておけば、後から比較や振り返りを行うこともできます。
広報
学級だよりや学校だよりなどの広報物に掲載するため、運動会や発表会などの様子を撮影します。学校の活動を伝える重要な情報となります。
施設管理
校舎や設備の修繕が必要な箇所を撮影し、関係者に共有することで、対応が早くなります。写真による記録は、口頭説明よりも正確で、報告書作成にも活用できます。
校内研修・研究授業
研究授業の様子を記録し、研修や研究資料として活用します。また、校内研修の様子を写真で残すことで、後日の振り返りなどにも役立ちます。
校務端末で写真を扱う際の注意点
校務用端末で扱うデータには、子どもたちの個人情報が含まれます。写真も例外ではなく、子どもたちの顔や名前が写っている画像は個人情報に該当します。そのため、写真を取り扱う際には、情報セキュリティと個人情報保護の観点から厳重な管理が求められます。
写真を含む個人情報を守るためには、一切の情報アクセスを信頼せず、権限を持つ利用者からの適正なアクセスかを常に確認することが重要です。通信の暗号化や多要素認証を組み合わせ、不正アクセスを防止する必要があります。
また現在、多くの学校では、デジタルカメラで撮影した写真をSDカードで校務用端末に取り込み、編集や共有を行う手順が一般的です。また、端末に取り込んだデータは、クラウドで共有するケースもありますが、USBメモリやメールを使って教職員間で共有する場合も多くあります。SDカードやUSBメモリの紛失は、子どもたちの個人情報を含む写真の漏えいにつながる重大なリスクとなるため、扱いには注意が必要です。
文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーハンドブック」には、外部記録媒体や私用端末の利用に関するリスクについて触れられています。
【情報資産の外部持ち出しによる情報漏えい(不正媒体・機器接続、情報窃取)】
教職員等が端末や USB を校外に持ち出し紛失する、私用端末に校務系情報をダウンロードし、そこから情報漏えいが起こるなどの事故が想定されます。教職員等が外部持ち出しの際に利用するクラウドサービス(電子メールや外部ストレージサービス等)についてはログを管理する運用としたり、教育委員会や学校が管理していない私的に契約したクラウドサービスの業務利用や承認されていない私物端末の業務利用は禁止とし、教育委員会又は学校から 提供される公式サービスや支給端末のみを利用させたりすることが重要です。特に、承認されていない私物端末の業務利用は、不正プログラムを持ち込むリスクもあり、大変危険です。情報資産の運用管理やルール面での対策に加え て、誤送信等に備えて暗号化やパスワード設定を行うなどシステム面での対策も有効です。
私用スマートフォンで子どもの写真を撮影するリスク
教育現場ではこれまで、授業記録や行事など、やむを得ず教職員の私用スマートフォンで写真を撮影するケースもあったように思います。しかし、複数の教員による不適切な撮影、盗撮事案が発生したことを受け、文部科学省は2025年7月に「児童生徒性暴力等の防止等に関する教師の服務規律の確保の徹底について」を通知しました。
この通知の中で、「教師個人のスマートフォン等の私的な端末で児童生徒等を撮影することのないよう、また、学校所有等の端末で撮影する場合であっても児童生徒等の画像を 管理職の許可なく学校外に持ち出すことのないよう徹底していくことが必要」と示しています。
不適切な写真の撮影以外にも、私用スマートフォンを撮影に使うことは次のようなリスクがあります。
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クラウドバックアップによる意図しない拡散
私用スマートフォンで撮影した場合、クラウドへの自動バックアップによって校務用写真が個人のクラウドに保存され、共有設定の誤りやアカウント乗っ取りにより意図せず拡散するリスクがあります。 -
公私混同によるモラル低下
私用スマートフォンを活用することで、業務と私用の境界が曖昧になり、情報管理の意識が低下する危険性もあるかもしれません。
教育現場で写真を扱う際の運用ルール・マナー
先述したとおり、複数の教員による不適切な撮影、盗撮事案が発生したことを受け、文部科学省はより一層教員の服務規律の確保を徹底するよう呼び掛けています。
この通知を受けて、教室などの子どもが活動する場所への私用スマートフォンの持ち込みを原則禁止する通知を出したり、情報機器の利用や写真撮影に関するガイドラインを策定したりする自治体も出てきています。
また、私用スマートフォンを利用しないだけでなく、撮影データなどの管理に関するルールや撮影時のマナーを定めておくことも必要です。次のような観点で運用していくことが大切です。
撮影データの管理について
- 撮影データは教育委員会や学校が管理するクラウド・サーバ内の指定のフォルダーで保存・管理する
- 撮影データを外部に持ち出すときは、学校管理職の許可を得る
- 必要のないデータはすぐに削除する
記録媒体の利用について
- 私用の記録媒体は利用しない
- 公用の記録媒体は保管庫に施錠して保管する
写真撮影時のマナーについて
- 撮影は、教育活動に必要な場合に限って行う
- 撮影時は、子どもたちに声掛けをして不安を与えないように配慮する
- 撮影の目的を明確にしておく
まとめ
教育現場では、授業記録や広報、施設管理などで写真を扱う機会が多くあります。しかし、子どもたちの顔が写った写真は個人情報に当たるため、セキュリティ対策が不可欠です。また、SDカードやUSBメモリの取り扱いには注意が必要であるとともに、私用スマートフォンの利用は大きなリスクとなります。安全安心に写真を活用できるよう、文部科学省のガイドラインなどに沿った運用ルールを定めて運用していくことが必要です。
SKYMENU Mobile を活用した安全な写真運用
民間企業では当たり前となってきた業務用のスマートフォン。教育現場でも、昨今のさまざまな事情から、私用スマートフォンの利用が難しくなったことで、学校用スマートフォンでの整備を検討する自治体が出てきています。校務スマート化アプリ「SKYMENU Mobile」は、学校用スマートフォンで活用を想定し、校務の情報を安全に、確実に、そして効率的に扱えるよう設計されています。
特に、安全なカメラ活用を支援する「セーフカメラ」機能は、撮影したデータを自動的にクラウドに保存。端末にデータが残らない仕組みで、写真データを安全に組織で共有・管理できます。USBメモリなどでのデータのやりとりが発生しないため、紛失のリスクもありません。
そのほかにも、校内Wi-Fiを活用した通信コストをかけない通話機能など、教育現場に特化したさまざまな仕組みをご用意。AI機能も搭載することで、「子どもの安全」と「先生の安心」の両立を、スマートフォンアプリから実現します。