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Sky株式会社

公開日2025.11.10

学校用スマートフォンのメリットとデメリットは? BYODとの違いや事例についても紹介

著者:Sky株式会社

学校用スマートフォンのメリットとデメリットは? BYODとの違いや事例についても紹介

学校用スマートフォンとは、校務を行うために教職員を対象に整備されるスマートフォンのことです。私用スマートフォンと分けて利用することで、児童生徒の個人情報を扱う際のセキュリティが高まるとともに、業務効率の向上も期待できます。本記事では、学校用スマートフォンの導入のメリット・デメリット、BYODとの違いなどを紹介します。

学校用スマートフォンとは?

近年、民間企業の多くでは働き方改革の取り組みの一環として、業務用のスマートフォンの導入が当たり前となってきました。そして今、学校現場でも「GIGAスクール構想」により、ICT環境の整備や校務の情報化が進むなか、学校用スマートフォンが整備され始めています。私用スマートフォンと分けて利用することで情報の安全性が高まるため、導入を検討する自治体も増えてきています。

学校用スマートフォンのメリット

学校用スマートフォンの導入には、どんなメリットがあるのでしょうか? 主なメリットを具体的にご紹介します。

スムーズな情報共有

学校用スマートフォンは各教室や校庭など、校内のどこへでも気軽に持ち運べるため、情報のやりとりが容易になります。また、内線の代わりにスマートフォンで連絡を取り合うことで、さまざまな教室を移動する必要のある忙しい状況でも電話を取り次ぐ必要がなく、教職員間でスムーズにコミュニケーションを取れるようになります。緊急時などにも、学校用スマートフォンを使うことで、しかるべき連絡先に素早く連絡でき、迅速に対応できます。

情報セキュリティ対策の強化

学校用スマートフォンであれば、教職員に貸与する前に規定の情報セキュリティ対策アプリケーションをインストール必須とすることで、情報漏えいなどを防ぐことができます。また、定期的にOSやアプリケーションの更新やチェックを行うことで、高いセキュリティを維持することが可能です。

安全なカメラ活用

学校用スマートフォンをデジタルカメラやタブレット端末の代わりに使うことで、子どもたちの活動を素早く、いつでもどこでも撮影できます。また、学校用スマートフォンと私用スマートフォンを使い分けることで、児童生徒の個人情報の流出といった危険性を減らせます。

実物投影機代わりの使用

大型提示装置に学校用スマートフォンを接続し、投影するといった利用も可能です。また、気象状況や感染症の影響などによってオンライン授業を行う場合も、セキュリティリスクを気にすることなく活用できる端末があることで、スムーズに実施できます。

業務とプライベートを区別できる

教職員は業務上の連絡を密に取り合う必要があるため、学校用スマートフォンが整備されていないと、私用スマートフォンを使わざるを得ません。この場合、休暇中であっても業務連絡が自然と目に入り、プライベートとの境目が曖昧になってしまいます。学校用スマートフォンを導入すれば、こうしたストレスが低減され、メリハリのついた働き方ができるようになります。

学校用スマートフォンのデメリットや課題

学校用スマートフォンの導入には、いくつかのデメリットもあります。

操作に対する不安

整備される学校用スマートフォンが、私用スマートフォンなどと同じように使い慣れた端末とは限りません。そのため、操作が難しいと感じてしまい、せっかく整備されても校務や授業に十分活用できないといったケースが考えられます。

2台持ちが負担となる

学校用と私用という2台のスマートフォンを持つことが、教職員にとって負担となる可能性があります。持ち運びの手間や、2台分のスマートフォンを管理・充電する時間の増加などに対して不満を持つ人もいるかもしれません。

導入コストがかかる

学校用スマートフォンの導入には、端末代や通信費など、一定の導入コストが必要となります。校内にすでに整備しているWi-Fiを利用し、ランニングコストを抑えられるような運用を検討する必要があります。

私的に利用される可能性がある

学校用スマートフォンは、業務のためだけに使うのが原則ですが、例えば個人的な楽しみのためにWebサイトを閲覧したり、業務と関連のないアプリケーションを利用したりする教職員が出てくることが考えられます。学校用スマートフォンの私的流用はセキュリティリスクを高めるだけでなく、通信費を肥大化させる恐れもあるため、整備の際にしっかりとルールを作ると同時に、必要に応じて制限などを施すことが大切です。

学校用スマートフォンとBYODとの違い

BYODとは「Bring Your Own Device」の略で、個人が所有するPCやタブレット端末などを職場や学校に持ち込み、業務や学習活動に活用することを指します。BYODには、PCやタブレット端末、スマートフォンなど、さまざまなタイプの端末が使用されます。

元は民間企業で始まった取り組みですが、学校現場でも、「GIGAスクール構想」で整備された児童生徒1人1台端末について、整備方法の一つとしてBYODについても検討されたことがあります。現在は、私用スマートフォンを使った教員の盗撮事件などを受けて文部科学省が「児童生徒性暴力等の防止等に関する教師の服務規律の確保の徹底について」といった通知を発出し、教員個人の私的な端末で児童生徒を撮影したり、SNSを用いて私的なやりとりをしたりしてはならないことを周知しています。

学校用スマートフォンを整備すれば、業務中に私用スマートフォンを使うことなく、これまでと同じ校務に従事できるため、その必要性が高まってきているといえます。

教職員の働き方改革を支援するアプリ
「SKYMENU Mobile」

本記事では、学校用スマートフォンのメリットとデメリット、BYODとの違いなどについて紹介してきました。

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SKYMENU Cloud コラムサイト編集部

SKYMENU Cloud コラムサイト編集部は、児童生徒1人1台端末をはじめとするICT教育の活用に関する情報を発信しています。
「SKYMENU Cloud」を開発・販売するSky株式会社には、教育情報化コーディネータ(ITCE)資格取得者が多数在籍し、大学の先生方との共同研究に取り組むなど、学校に求められるソフトウェアの実現を目指しています。