実践事例

中学3年生 外国語生徒1人1台の活用 1人1台 × SKYMENU Cloud

評価「S」へ到達するまで、何度もスピーキング課題を提出

「SKYMENU Cloud」で、生徒が挑戦できる環境をつくる
福岡 真理 熊本県天草市立牛深東中学校 教諭

福岡 真理教諭

熊本県天草市立牛深東中学校

熊本県天草市立牛深東中学校 福岡 真理 教諭は、外国語の指導において『SKYMENU Cloud』を積極的に授業で活用されています。[発表ノート]の[提出]や[添削]機能を活用して、学習課題に対して、何度でも、生徒が納得するまで挑戦できる仕掛けをつくることで、学習意欲が向上し、ひいては学力向上につながったといいます。外国語指導における『SKYMENU Cloud』の活用方法について伺いました。

動画や画像データの簡便なやりとりが[発表ノート]の魅力

私はICTやタブレット端末の活用について、詳しいわけではありませんでした。しかし、昨年度の天草市による「外国語科におけるICT活用研修会」の受講を機に、『SKYMENU Cloud』を積極的に活用しています。活用を推し進めるきっかけになったのは、学習者が[発表ノート]に画像や動画を貼りつけて簡単に教師に[提出]できる仕組みでした。機能の紹介を受けたとき、「これだ!」と直感しました。というのも、これまでにも生徒に静止画や動画を送らせたことがあったのですが、送信するための操作が手間で授業中にスムーズに送信できないといった経験をしていたからです。[発表ノート]を活用すれば、動画などを簡単に[提出]できますし、さらに[添削]して[返却]することも簡単にできると考え、すぐに授業に取り入れることにしました。

実践3年生 外国語 「Unit3 Lessons From Hiroshima」

戦争や原爆についての意見を完成させて伝わるように発表しよう

具体的に、3年生の「Unit3 Lessons From Hiroshima」という単元の最後の時間を例に、『SKYMENU Cloud』をどのように活用しているのかお話ししたいと思います。本単元は、登場人物の子どもたちが広島県に修学旅行に行き、原子爆弾に関する話を聞くという内容です。本時では、戦争や原子爆弾について考え、英語で意見文を作成し、さらにその意見が相手に伝わるように強弱をつけながら発表することを学習のねらいとしました。

本時の展開

学習の流れ 主な学習活動 タブレット端末活用場面
帯活動
  • Greeting
  • Flash Cards
  • Small Talk×2回
  • Daily Questions
  • 時制の変化check
  • Q&A

スローラーナーも授業に積極的に参加することができるように、ヒントとなるワークシートや資料を生徒のタブレット端末に送り、活動中に確認できるようにする。

導入
  • 教科書の登場人物の意見を確認し、どのように思うのかをペアに英語で伝える。

登場人物それぞれの意見をまとめた資料を[教材・作品]で生徒に[配付]する。

展開①
  • 誰の意見に賛成か反対か自分の立場を明らかにして、原爆や平和についての自分の意見をまとめる。

※writingの評価基準と、展開②の発表のルーブリックはあらかじめ生徒のタブレット端末に送信している。 Unit3 Lessons from Hiroshimaのpartごとに[発表ノート]に書きためていた原爆や平和についての考えを見ながら、意見をまとめる。また、インターネットも活用する。

展開②
  • 強調したい部分や伝えたいことをゆっくり読んだり、強調したりするなど工夫して発表する。その様子を自分で撮影し、教師に送る。また、ペアで動画を見せ合い、内容や発表の仕方についてアドバイスをする。

発表している様子を動画撮影し、[発表ノート]に貼りつけ、教師に[提出]。教師は、大きな発音の間違い等があれば、個別に指導を行う。

展開③
  • ペアのアドバイスを聞いて、もう一度撮影を行う。

発表の様子を動画で撮影し、[発表ノート]に貼りつけ、教師に[提出]。また、自分が書いた意見文も写真に撮り、教師に[提出]する。

まとめ
  • 自分の意見や気持ちを伝える英語表現、賛成か反対かを伝える英語表現を確認する。
  • 発表において、自分の意見を伝える時の工夫について確認する。

生徒は撮影した動画を確認しながら、まとめを行う。

後日
  • 教師から返却されたwritingで間違っていたところを訂正したり、発表の仕方について教師からのアドバイスを受けたりする。

生徒から送られてきた動画を見て評価をし、生徒にアドバイスを行う。また、writingを[発表ノート]で[添削]し、生徒に[返却]する。

授業のねらいや評価基準をまとめ、生徒にあらかじめ[配付]

授業の冒頭20分は帯時間を設けています。語彙を増やすことや文法の振り返り、そしてその日の学習活動につながる内容を確認しています。本時では、帯時間の後に、前時から取り組んでいる意見文の作成に取り組みました。

私の授業では、学習の目標や生徒に身に付けてほしい力について、ルーブリックを作成し、あらかじめ生徒と共有するようにしています。本単元のルーブリックは、意見文の内容や発表でのスピーキングについて「S」から「C」までの4段階で設定しました。具体的には、「今は戦争がないから過去のことを学ばなくていい」「世界が平和であるためにもっと学ぶべきだ」といった意見に対して、この単元で身に付けさせたい「I agree with…」「I think that…」などの文法を使って意見を書くこと、意見文は10文以上作成できれば「S」になるといったことを明記しています。

ルーブリックや学習に関する資料は「Microsoft Word」にまとめており、授業の前日に[教材・作品]で生徒たちに[配付]しています。生徒たちは事前にこの資料を確認するとともに、授業中にも都度自らの意思で確認しながら取り組みます。

強弱を意識して読み上げた意見文を動画撮影し、[提出]

写真1最初に[提出]したスピーキング動画を基に、意見交換してブラッシュアップ
写真2意見文の画像を撮影して[提出]

意見文ができたところで、強弱や読むスピードに気をつけることを伝えてスピーキング練習をさせた後、その動画を自分のタブレット端末で撮影、[提出]させます。このとき、あらかじめ教員機から黄・ピンク・青の3色をつけた[発表ノート]を[配付]しておきます。

まず、自分なりに工夫したスピーキング動画を撮影して、写真1のような黄色の背景をつけた[発表ノート]に貼りつけて[提出]させます。その後、隣の席の生徒同士でタブレット端末を交換して動画を見せ合い、アドバイスを送り合います。また[提出箱]の「学習者どうしで提出物を閲覧できる」にチェックを入れ、気になる友だちの動画を確認できるようにもしておきます。これにより、[提出]された生徒のスピーキングをほかの生徒が参考にしながら取り組めます。上手だと思ったスピーキングや良いと思った意見文を作った生徒のところに自ら聞きに行く生徒もいます。私の授業では、分からないことは自分で調べ、主体的に情報を探したりすることを大切にしています。

その後、生徒はアドバイスを基にブラッシュアップ。再度撮影したスピーキング動画を、今度はピンク色の背景の[発表ノート]に貼りつけて[提出]。併せて意見文の画像も青色の背景の[発表ノート]に貼りつけて[提出]させるという流れで授業を行いました写真2

評価「S」に到達できるまで、何度も課題にチャレンジする

[提出]された動画や画像は、放課後や空き時間に[添削]して評価をつけ、生徒に[返却]しています。生徒たちは[返却]された評価を確認すると、訂正箇所の疑問点について積極的に質問に来ます。[提出箱]の期限を延長し、生徒たちが「S」に到達できるまで、何度でも[提出]できるようにしています。このようにすることで、子どもたちは自ら、より上の評価をめざして取り組みます。本時においても、「S」に到達できるまで、動画を何度も撮り直して[提出]し、チャレンジする生徒の姿が見られました。意見文を撮影して画像で[提出]させているのも、訂正を入れて[返却]した後、生徒たちの手元に意見文の原本があれば、修正してすぐに再提出することができるからです。

生徒が再提出するためには、教師が素早くフィードバックすることも大切です。紙とは違い、タブレット端末は、いつでもどこでも添削できるのが良いところです。生徒がすぐに確認してほしいと言えば授業中でも10分間の休み時間でもすぐにチェックでき、その場でぱっと訂正を書き入れ、返却できるわけです。[発表ノート]を使うことで、生徒たち1人ひとりにきちんとフィードバックができるようになった点に大変メリットを感じています。

生徒の学習意欲が向上し、ひいては学力の向上へ

スピーキングの指導や評価についていえば、『SKYMENU Cloud』の活用で大きく変わりました。これまでスピーキングのテストは、学期末にまとめて時間を取って、生徒1人ひとりを別室に呼んでテストをして評価するという方法でした。つまり評価の機会は1回きりです。また、クラスの誰かがテストをしているとき、ほかの生徒は自習の時間になっていました。

しかし今は、本時のように授業時間を有効に使って取り組めるようになり、さらに力がつくまで練習して何度でも挑戦できるようになりました。生徒たちの英語力を高めるチャンスが増えているのです。実際、休み時間にも互いに動画を撮影し合って練習している姿も見られ、生徒の学習意欲の高まりを感じています。こうした取り組みの積み重ねが学力の向上にもつながっていくのだと思っています。

事前にルーブリックを[配付] 生徒が自主的に質問に来るように

「Microsoft Word」などのファイルを、[教材・作品]で生徒へすぐに[配付]できることの効果も感じています。事前にルーブリックを生徒と共有しているとお話ししましたが、これまでは紙に印刷して掲示したり、板書したりしていました。いつでも手元のタブレット端末で評価基準や意見文のテーマが確認できるようになったことで、授業に備えようと、昼休みなどに自主的に質問に来る生徒が増えています。目標を生徒にあらかじめ示した上で授業に臨ませるという活用は、英語に限らずさまざまな教科でも行うことができると思います。

また、板書した内容は授業後には消えてしまいますが、[教材・作品]は、クラウド上に[配付]した教材が蓄積され、いつでも見返すことができます。例えば、学習内容に応じて、昨年度の授業で作成した資料を見返して振り返るといったことが簡単に行えます。これは紙ではできない取り組みで、これまでにないとても便利な仕組みだと感じています。

私たちがICTを使いこなせるか否かで、生徒の学びの量や質が大きく変わる

授業の中においては[発表ノート]の[画面一覧]機能が大変有効です。これまでは机間指導しながら良い意見文を作った生徒を見つけ、発表してもらっていました。手元のタブレット端末で生徒たちが作成したものを一覧で見られるようになったことで、お手本になる意見文を素早く見つけてスクリーンに投影し、「この表現をまねしたらどう?」などと提案できます。逆に「ここが過去形になってないよ」といった注意すべき点をクラス全体に共有し、訂正を指示することもできるようになりました。

写真3[画面一覧]を確認しながら、フォローが必要な生徒に声を掛ける

全員の状況を確認していたつもりでも、フォローできていない生徒がいたことにも気がつきました。手が止まっている子をすぐに見つけて声を掛けることもできますし、また、気がつかなかった得意な一面を新たに見つけることができるようになったとも思います写真3

このような取り組みを続けて、今とても強く感じているのは、私たち教師がICTを使いこなせるか否かで、生徒の学びの量や質が大きく変わるということです。生徒たちはタブレット端末を活用することが大好きですから、教師の工夫次第で、学習意欲をさらに高めることができると思います。私自身、まだまだ使いこなせているとはいえません。私たち教師も、生徒たち同様、学び続けなければならないのだと心から感じています。

(2022年11月掲載)

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