実践レポート
手すき和紙を作っている家の数が減少している中で鈴木さんが和紙を作る理由を調べる活動を通して、美濃和紙は長い歴史ある伝統文化で長年、大切にされてきた文化財であることに気付き、後世にも美濃和紙を残していきたいという鈴木さんの願いを考えることができる。
手すき和紙を作っている家の数が減っている中で、60歳を超えてから手すき和紙職人になった鈴木さんの思いについて考え、交流する。授業の最後に、鈴木さんの「1,300年も続く歴史ある和紙作りの伝統をずっと残し、和紙作りの技術を後世に残したいと願っている」という思いをくみ取る。そして自分たちの住んでいる町の守っていきたい伝統について考える。考えをまとめ、発表する際にタブレットを活用することでスムーズにクラス全体で交流することできた。
授業の最初に導入資料として「手すき和紙を作っている家の数」と「手すき和紙職人の数」の2種類のグラフを貼り付けた[発表ノート]を電子黒板に提示。グラフ部分はどのような推移になっているのかを[発表ノート]の文字入力の際に使うテキストボックスを
付箋替わりにして隠し、指を動かしながら徐々にめくっていって見せた。めくるスピードの調整は自分次第なので、児童たちのつぶやきや反応に合わせて行えて、グラフへの興味を持たせることができた。
事前に[発表ノート]に配付してある資料も参考にしながら、[発表ノート]に課題に対する考えを記入してもらった。その様子を[画面一覧]機能を活用して確認する。児童が資料を読み取る内容や状況が把握でき、[発表ノート]に更新が見られない児童は、資料の読み取りが上手くできていない可能性があるので机間指導で支援した。その後1回目の全体交流で、児童の[発表ノート]を[画面一覧]で電子黒板に提示し、交流した。
最後に、手すき職人の方へのインタビュー動画を貼りつけた[発表ノート]を配付。動画を見て1回目の全体交流の際に書いていた児童の「まとめ」が、伝統を守ろうとする職人さんの願いを自分事として捉えているかを確認するため、2回目の全体交流を行った。
動画を[発表ノート]で配付することで、ノート間の移動のみで何度も視聴することができるため、自分のペースで理解を深めていくことができると感じた。
[発表ノート]の文字入力時のテキストボックスを付箋替わりにする使い方は、多くの授業で活用できるように思う。社会では児童たちに答えてもらいたい用語を隠して穴埋め問題のようにしたり、算数の途中式を隠したりと、どんな教科にも対応できそう。徐々にめくるように操作することで児童の興味を引くこともできるので、これからもどんどん工夫していろんな機能を活用していきたい。
(2022年3月掲載)