校務支援システムとは? 主要機能や導入メリットなどを紹介

校務支援システムとは、教職員が行う成績管理や出欠管理、学籍管理などの校務をICTで効率化するためのシステムです。文部科学省による統合型校務支援システムの推進や校務DXの加速により、全国の学校で導入が進んでいます。本記事では、校務支援システムの基本概要から主な機能、導入メリットなどについてご紹介します。
校務支援システムとは?
校務支援システムとは、教育現場で行う多様な業務をICTで効率化するためのシステムです。教職員が日常的に行う業務をデジタル化し、業務負担の軽減や情報共有の円滑化を目的としています。ここでは、校務支援システムが推進される背景などについてご紹介します。
校務支援システムの導入が推進される背景
学校では、児童生徒の学籍情報や成績、出欠状況、健康診断の結果など、多様なデータを扱っています。校務支援システムは、これらの校務データをICTで管理するものです。
従来は、個別の業務に特化したシステムが導入されているケースが多く、同じ情報を複数のシステムへ入力する必要がありました。その結果、入力作業の重複や情報共有の遅れが課題となっていました。
文部科学省は、こうした課題を解消しようと、統合型校務支援システムの導入を推進しています。統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理・出欠管理)、学籍系(指導要録)、保健系(健康診断票)などを一体的に管理し、さらにグループウェアによる情報共有機能を備えたシステムです。これにより、一度入力した情報を複数の校務で活用でき、業務の効率化と入力ミスの防止が期待できます。
さらに文部科学省は、教員が異なる自治体の学校へ移動しても、共通の操作感でシステムを活用できるよう、校務支援システムの標準化を進めるとともに、校務DXに向けてクラウド型の校務支援システムの導入を推奨しています。
校務支援システムの導入状況
文部科学省は「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」において、統合型校務支援システムの「100%整備」を目標として掲げ、財政措置を行ってきました。
その後も、GIGAスクール構想や校務DXの推進を背景に、各自治体で統合型校務支援システムの導入が進められています。「令和6年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」によると、導入状況は地域によって差があるものの、2025年3月1日現在で、94.8%に達しています。
校務支援システムの機能
校務支援システムにはさまざまな機能があります。ここでは、学籍系、教務系、保健系に分けて主な機能をご紹介します。
学籍系
学籍管理機能
一元的に児童生徒の基本情報を管理する機能です。名前や住所、保護者情報などの学籍データを集約することで、情報の再入力や転記作業を減らし、業務の効率化を図れます。また、教員が名簿を毎年作成する手間を削減できます。
- 児童生徒の名前・住所等の基本情報、保護者情報の管理
- 転出・退学、転入・編入、進級・進学・卒業の処理
- 学級名簿等の名簿作成
教務系
出欠管理機能
児童生徒の日々の出欠を記録・管理する機能です。欠席や遅刻、早退の状況を記録して、長期欠席の傾向把握や早期対応に活用できます。入力した情報は、通知表や指導要録へ自動反映できます。
- 出欠情報の入力
- 長期欠席者の管理
- 出席簿の印刷
- 出欠情報を通知表や指導要録の“出欠の記録”への反映
- 統計処理
成績管理機能
児童生徒の成績処理を行う機能です。テスト結果や評価観点を基に観点別評価や評定を算出し、成績一覧や通知表、指導要録の作成を効率化できます。蓄積した成績データは、一人ひとりの児童生徒のつまずきを分析し、指導改善にも活用できます。
- 教科の観点の設定
- テスト結果入力による観点別評価や評定評価の自動算出
- 成績一覧表・通知表の作成
- 指導要録を作成・管理
- 指導要録・調査書・成績表・成績一覧表等の帳票作成
保健系
保健管理機能
児童生徒の成長と健康状態を記録・管理する機能です。健康診断結果や日常の健康観察、保健室来室状況をデータ化することで、関連書類の作成や集計業務の負担を軽減します。感染症の発生状況を把握する際にも活用されます。
- 健康診断結果の登録・集計処理
- 日々の健康観察の管理
- 保健室の来室入力や保健日誌の作成
- インフルエンザ発生情報等
校務支援システムを導入するメリットとは
校務支援システムを導入すると、教員の業務効率化にとどまらず、学習指導や生活指導の質の向上、保護者対応の円滑化にもつながります。ここでは、それらのメリットについてご紹介します。
児童生徒に関連するメリット
校務支援システムの活用により、児童生徒に関連するメリットとして、「学習指導の質の向上」と「生活指導の質の向上」が挙げられます。
システムに入力した成績や出欠状況などのデータを蓄積し、分析することで、学習状況や生活面の変化を把握しやすくなり、児童生徒一人ひとりに対するきめ細やかなフォローが可能になります。また、システムの活用で業務を効率化することで、教材研究や指導計画の検討に充てる時間を確保しやすくなるのもメリットです。
さらに、担任以外の教職員も情報を共有できるため、多角的な視点で児童生徒を捉えることが可能になります。また、休みがちな児童生徒にも速やかに対応できます。
教職員に関連するメリット
教職員に関連するメリットとして、主に「コミュニケーションの向上」「業務の質の向上」が挙げられます。
校務支援システムに備わる掲示板やメール機能などのグループウェア機能を活用することで、教職員間の情報共有がスムーズになり、連絡の行き違いや確認作業の手間を減らすことができます。さらに、日常的なコミュニケーションがしやすくなることで同僚性の高まりも期待できます。
また、これまで紙で行っていた業務を校務支援システムによって電子化することで、転記ミスの防止や作業の標準化が可能になります。業務内容を可視化しやすくなるため、特定の教職員に業務が集中する状況を避け、作業量を平準化することもできます。結果として、教職員の日常的な事務業務の負担軽減と作業品質の向上につなげられます。
保護者対応に関連するメリット
保護者対応に関連するメリットとして、「通知表等への記載内容の充実」「保護者対応の充実」が挙げられます。
児童生徒の日常の様子や指導記録を継続的に蓄積できるため、通知表や所見欄に反映する情報を整理しやすくなります。これにより、保護者に対して、日常の学校生活を踏まえた説明がしやすくなります。
また、保護者からの相談内容や対応履歴を記録・共有することで、担任が代わった場合や複数の教職員が関わる場合でも、これまでの経緯を踏まえた対応が可能になります。対応の属人化を防ぎ、学校として一貫した保護者対応につなげられる点も、校務支援システム導入のメリットです。
校務支援システムの動向
現在、多くの教育委員会では校務支援システムを、庁舎や学校内のサーバに構築し、職員室に固定された端末からのアクセスを前提として運用しています。そのため、校務処理の多くが職員室に限定され、場所や時間に制約があることが課題となっています。
こうした状況を踏まえ、文部科学省は校務DXの推進に向け、ロケーションフリーで校務を行える環境の整備を進めています。その中で欠かせない取り組みの一つが、クラウド型校務支援システムの導入です。
文部科学省は「教育DXに係わる当面のKPI(令和6年4月22日時点)」において、2029年度までにクラウドを前提とした次世代校務システムをすべての自治体で導入することを示しています。また、2025年3月には「次世代校務 DX ガイドブック-都道府県域内全体で取組を進めるために-」を公開し、その中で次世代校務DX環境の整備の要素として、「クラウド型校務支援システム」の整備を掲げています。
校務DXや教職員の働き方を支援するSKYMENU Mobile
教職員の校務負担を軽減する上で、校務支援システムは重要な役割を担っています。そして現在、さらなる効率化に向け、注目されているのが校務用スマートフォンです。
民間企業では業務用のスマートフォンが一般化していますが、近年、教育現場においても、「GIGAスクール構想」によってICT環境の整備や校務の情報化が進むなか、校務用スマートフォンの導入が徐々に広がりつつあります。
「SKYMENU Mobile」は、校務の情報を安全に、確実に、そして効率的に扱えるよう設計された、教育現場専用の業務支援アプリです。安全なカメラ活用や業務の可視化を支援する機能、校内Wi-Fiを活用した通信コストをかけない通話機能など、教育現場に特化したさまざまな仕組みをご用意。AI機能も搭載することで、「子どもの安全」と「先生の安心」の両立を、スマートフォンアプリから実現します。