学校の業務負担を軽減する具体策とは? 文部科学省の指針を基に3つの視点で解説

教職員の長時間勤務は、大きな課題となっています。こうした状況を改善するため、教員の業務範囲を整理した「学校・教師が担う業務に係る3分類」に基づき、業務の適正化が進められてきました。現在、この「3分類」の名称の見直しや新たな業務を追加する改訂が進んでいます。本記事では、教員の働き方の現状とともに、「3分類」の内容について解説します。
なぜ? 学校現場の業務負担が増え続ける背景
2016年度に文部科学省が行った「教員勤務実態調査」において、多くの教員が“過労死ライン”を超える勤務時間で働いている実態が明らかになりました。この問題を受け、2019年には中央教育審議会の答申に基づき「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」が策定され、働き方改革が進められています。実際に、2022年度の同調査では勤務時間は前回より短縮されたものの、依然として長時間勤務が続いている状況です。
こうした長時間勤務の背景には、教科指導だけでなく、生徒指導や週末の部活動、教育委員会への報告書作成、保護者や地域との連携、通学路の安全確保や夜間の見回りなど、教員が担う業務の多様化・膨大化があるといえます。
文部科学省が推進する3つの業務の分類に基づいた取り組み
2019年中央教育審議会の答申「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」では、「教師以外が担った方が児童生徒にとってより効果的な教育活動ができる業務や、教師が主に担う業務であっても一部を教師以外が担うことが可能な業務が存在する」と指摘されています。そして、この答申において示されたのが、学校で担っている業務を「基本的には学校以外が担うべき業務」「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」という3つに分類した、いわゆる「学校・教師が担う業務に係る3分類」です。
そして2025年現在、文部科学省は中央教育審議会に特別部会を設置し、「学校・教師が担う業務に係る3分類」をアップデートしようとしています。そのなかで、「学校と教師の業務の3分類」が示され、3分類の項目の名称が「学校以外が担うべき業務」「教師以外が積極的に参画すべき業務」「教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務」に変更されています。
①学校以外が担うべき業務
文部科学省が示した「学校と教師の業務の3分類」において、「学校以外が担うべき業務」として示されているのは以下のとおりです。
-
登下校時の通学路における日常的な見守り活動等
-
放課後から夜間などにおける校外の見回り、児童生徒が補導された時の対応
-
学校徴収金の徴収・管理(公会計化等)
-
地域学校協働活動の関係者間の連絡調整等
-
保護者等からの過剰な苦情や不当な要求等の学校では対応が困難な事案への対応
新たに、「保護者等からの過剰な苦情や不当な要求等の学校では対応が困難な事案への対応」が追加されています。
②教師以外が積極的に参画すべき業務
文部科学省が示した「学校と教師の業務の3分類」において、「教師以外が積極的に参画すべき業務」として示されているのは以下のとおりです。
-
調査・統計等への回答
学校への依頼を減らし、デジタル技術を活用しつつ、事務職員を中心に実施 -
学校の広報資料・ウェブサイトの作成・ 管理
学校が行う場合は事務職員等が積極的に参画 -
ICT機器・ネットワーク設備の日常的な保守・管理
教育委員会と連携を図りながら、事務職員等を中心に実施しつつ、地域の実情に応じて外部委託も積極的に検討 -
学校プールや体育館等の施設・設備の管理
教師は授業等に付随して行う日常点検を担い、外部委託等も積極的に検討 -
校舎の開錠・施錠
副校長・教頭に固定せず、機械警備、役割分担の見直し等を促進 -
児童生徒の休み時間における安全への配慮
地域住民等の支援や、輪番等を促進 -
校内清掃
児童生徒への清掃指導は、地域住民等の支援を得て、回数・範囲の合理化等を促進 -
部活動
部活動の地域展開・地域連携を推進
新たに、「学校の広報資料・ウェブサイトの作成・管理」「ICT機器・ネットワーク設備の日常的な保守・管理」「学校プールや体育館等の施設・設備の管理」「校舎の開錠・施錠」が追加されています。
③教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務
文部科学省が示した「学校と教師の業務の3分類」において、「教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務」として示されているのは以下のとおりです。
-
給食の時間における対応
食に関する指導については、栄養教諭等が対応 -
授業準備
教材の印刷など補助的業務を教員業務支援員等の支援スタッフが実施、デジタル技術の 活用を促進 -
学習評価や成績処理
採点作業等のうち補助的業務を教員業務支援員等の支援スタッフを中心に実施、自動採点等のデジタル技術の活用を促進 -
学校行事の準備・運営
関係機関との日程調整や物品の準備等について、事務職員や支援スタッフとの協働を促進しつつ、必要に応じて外部委託等も検討 -
進路指導の準備
就職先に関する情報収集等について、事務職員や支援スタッフとの協働を促進 -
支援が必要な児童生徒・家庭への対応
専門スタッフとの協働等を促進
教職員の働き方改革を支援する「SKYMENU Mobile」
民間企業では当たり前となってきた業務用のスマートフォン。近年、学校現場でも「GIGAスクール構想」によってICT環境の整備や校務の情報化が進むなか、学校用スマートフォンの整備が広がっています。「SKYMENU Mobile」は、校務の情報を安全に、確実に、そして効率的に扱えるよう設計された、教育現場専用の業務支援アプリです。安全なカメラ活用や業務の可視化を支援する機能、校内ネットワークを活用した通信コストをかけない通話機能など、教育現場に特化したさまざまな仕組みを用意。AI機能も搭載することで、「子どもの安全」と「先生の安心」の両立を、スマートフォンアプリから実現します。