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導入レポート
宗我部 義則 教諭
宗我部 義則 教諭

お茶の水女子大学附属中学校は、「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する生徒を育成する」という教育目標のもと、生徒の個性を生かし、基礎学力の充実を図るためのさまざまな教育活動を展開しています。
このほど、同校の宗我部義則教諭がコンピュータ教室で行われた、中学校1年生国語科の授業を取材しました。(平成18年11月取材)

▼ご使用ソフトウェア:
SKYMENU Pro

コンピュータ教室で行われた国語科(単元;わたしの一冊)の授業の様子
画面送信機能で操作手順を説明

本時は、「わたしの一冊」という単元の3時間目。生徒一人ひとりが、Webページ作成ソフトを使い、最近読んでおもしろかった本や、影響を受けた本の読書紹介コンテンツを制作していく内容だ。
 生徒がIT活用教育支援ソフトウェア『SKYMENU Pro』のログオン画面で、各自のユーザID、パスワードを入力し授業が始まった。
 宗我部教諭は、教員機の[標準操作パネル]から、すべての生徒がログオンしたことを確認すると、前回の授業で保存したデータを呼び出す手順を[教員画面送信機能]を使って説明。生徒はそれを見て手順を確認し、コンテンツ制作に着手した。
 宗我部教諭は、画像の貼り付け方法がわからない生徒を見つけると、[学習者画面受信機能]を使い、教員機から遠隔操作で手順を説明。
 同時に、「インターネット上の画像などを引用する場面には引用元を明示したり、その画像が引用可能かどうかを確かめましょう。先方に使用許可をとる必要がある場合もあります」と制作活動を通して著作権に関する指導も行われていた。さらに、生徒の進捗状況を見守りながら、「一番肝心なのは、みんながどんなふうに本を読んだのか、感想や紹介する理由をしっかり書くことです」と国語学習としてのポイントを指導しながら授業を進められた。

本の良さが伝わる表現を

授業のねらいについて、宗我部教諭にお聞きした。
 「本校には、校内のコンピュータから検索できる読書紹介オンラインデータベースがあります。今回制作中の読書紹介コンテンツもそこに保存して活用していきます。また、国語の単元としては、この本を紹介したい理由や、お薦めの理由など、その本の良さがきちんと他の人に伝わるような文章を書くことがねらいです。そのために、最初の授業では、読書紹介の記事を書くには最低限どんな中身が必要か、読みたくなるような表現の工夫についてコンピュータを使って何ができるか、さらにデータベース化にあたって配慮すべき点や気をつけるべき点は何かを考えさせました。その結果を発表し合い、こんなことを書くと良いね、こんなことに気をつけないといけないねと話し合いました」といわれる。読書紹介オンラインデータベースの検索画面

修正や編集などコンピュータの利点を生かして

授業の中で、コンピュータを利用する効果については、「子どもは、作文というと、みんな『エエッ』といいますが、コンピュータでやろうというと『エエッ』とはいいません。ある程度原稿を考えさせておいて、文字入力を全部先に行わせるとうまく授業が進められます。また、コンピュータは、あとからの修正や編集が得意なので、最初からきれいな原稿を完成させる必要がないこと、レイアウトの工夫をするのは、ある程度原稿が打ち終わってからでも良いことを指導することも大切です。コンピュータを利用すると、子どもが作文を嫌がらないことが一番の効果です」と指導上のコツをお話しいただく。
 その一方で、「中学1年生では、手書きで書いた方が、思いどおりの文章を書けるという子どもが多いです。変換がうまくいかないと、その言葉を使うのをやめて、違う言葉を使う子どもがいます。コンピュータを使って、国語の指導をする上では、この点に注意が必要です」といわれる。
国語科 学習指導案
単元名 場所
ねらい
指導上の留意点
実際の授業の流れ

自分の心に自律の鍵がかけられる子どもに
ID・パスワードによるコンピュータの運用を通して お茶の水女子大学附属中学校

松本純一教諭 宗我部義則教諭お茶の水女子大学附属中学校では、「ツールとしてのコンピュータから学習環境としてのコンピュータ・ネットワークへ」を基本方針として、各教科の授業で、コンピュータの活用を積極的に行っています。このほど、その推進役を担われている宗我部義則教諭と松本純一教諭に、『SKYMENU Pro』のご利用状況や、ICTを授業で効果的に使うためのポイントについてお話を伺いました。

いかにコンピュータを使った授業運営がスムーズに行えるか
操作説明の時間が短縮
Q. コンピュータを使った授業を行われる際に、『SKYMENU Pro』をどのように利用されているのかお聞かせください。
宗我部教諭コンピュータを使った授業を行う場合は、まず基本的な操作方法を見せるために、[画面送信機能]を使って、操作手順や動かし方を提示しています。今の子どもたちは、ビジュアルからの情報に対して非常に効果的に反応します。言葉での説明ではわからなくても、画面を見せて説明すると1度で手順を覚えます。教員機から生徒の画面を受信し、遠隔操作で操作手順を説明『SKYMENU Pro』が導入される前と比べると、操作説明の時間が圧倒的に短くなり、授業の中身にすぐに入れるので、非常に便利です。それから、遠くの方から先生と呼ばれたときに、教員機から画面をモニターして、こっちで操作するから見ていてといって、遠隔操作でその子どもに説明できるのも便利です。
 意外に重宝しているのが、[メッセージ送信機能]です。子どもたちはいったん作業を始めると、終わりですといっても、なかなか作業をやめません。そんなときには、『はい終了時間です』とメッセージを飛ばします。そうすると、子どもたちは一斉に作業をやめます。そのほか、教材配付と回収もよく使います。例えば、国語で文法の学習をするときは、ベタ打ちした文章を教材として配付し、個人/グループフォルダ表示画面 自分のユーザIDとパスワードでログオンすると、デスクトップに自分専用のフォルダが表示されます。「すべての主語にコンピュータを使って、赤い色を付けなさい」といった感じで利用します。また、[個人 / グループフォルダ表示機能]も利用しています。個人フォルダを利用することで、子どもたちが誤って他の人のデータを書き換えてしまったり、消去してしまったりする心配がなくなり、データ管理がしやすくなりました。『SKYMENU Pro』を利用することで、授業が楽に行えるようになりました。
匿名での利用には機能を制限
Q. 個人フォルダの利用には、自分のユーザIDとパスワードでログオンする必要がありますが、その指導はどのようにされていますか。
松本教諭新入学時のプログラムの中に、コンピュータオリエンテーションの時間があります。そこで、コンピュータやネットワークを利用する上でのルールやマナーの指導を行います。例えば、パスワードについては、誰かに知られると、それが悪い意味で使われることがあることを説明して、その大切さを指導します。社会に出ると、パスワードを使用する機会も多くなります。セキュリティは自分で守るものだということを、今のうちから子どもたちにしっかり意識させる必要があると思います。
宗我部教諭ログオン時に、必ず自分を名乗らせることは、情報モラル指導の面でも、一番基本的でかつ非常に効果があります。名前を名乗らせると悪いことはしなくなります。もし何かしら問題が起こったときは、ログを見てきちんと調べます。そういうことを小まめにやることで、先生はちゃんと見ていることを、子ども自身がわかっていくようになります。子どもたちが、自分の心に自律の鍵をかけることができるように指導していくことが大切です。
松本教諭機械的なところ、ソフト的なところでガードをかけることは限界があります。生徒一人ひとりの意識のところで、一線を越えてはいけないという部分を設け、その意識を高めていくことが重要です。本校では、ログオンをスキップした場合、『SKYMENU Pro』の[匿名利用制限機能]を使って、ネットワークが利用できないように制限をかけています。
使いやすいインタフェース
Q. バージョンアップいただいた『SKYMENU Pro』について、お気づきの点等がございましたらお聞かせください。
宗我部教諭教員機から学習者機の遠隔操作をする際のインタフェースが、以前のバージョンに比べて非常に良くなりました。いくつかの操作画面を切り替えないとできなかった操作が、今は眺めている画面の中で簡単に操作できますので、子どもたちのアシストが非常にしやすくなりました。
松本教諭他の教員が使うときも、操作の仕方を以前ほど細かく説明しなくても、あとは画面を見ながらできますといえば、問題なく使えます。そういう使いやすいインタフェースも良い点としてあげられます。
SKYMENU Proにログオンしていない状態で、Webブラウザを使用しようとすると、 ユーザIDとパスワードの入力画面が表示されます。
ICTを効果的に使うには、まず何がしたいのか明確に
使いたい機能、自分が手軽に使えるものを利用する
Q. ICTを使った授業のイメージが持てないと悩まれている先生方が少なくないと伺っています。ICTを授業で効果的に使うためのポイン トがありましたらお聞かせください。
宗我部教諭今のコンピュータは非常に多機能なので、いろんなことができます。1つのアプリケーションにも、ものすごくたくさんの機能があります。大切なことは、多機能さに目を惑わされることなく、使いたい機能だけを使うことです。何がしたいのかを明確にして、それができるもの、一番使いやすい環境を選ぶことです。教具を選ぶのは、教師の授業づくりの基本です。
 コンピュータを選ぶと、途端にあれもこれもできてしまうので、逆に自分は使いこなせていない、と思ってしまうのではないでしょうか。書かせるなら書かせることだけを考える。その次に、紙で作業させるのと、コンピュータで作業させるのと、何が違うのかを考える。清書したものを直すには、紙の場合は、最初から書き直さなければ直せません。でもコンピュータを使えば、部分的に挿入して直すこともできます。その作業の違いに気づきさえすれば、使い方のアイデアに変わっていくと思います。
 自分がやりたい授業があって、こういうときにこんな絵を見せられたら、子どもにもっとわかりやすい授業になるのにという場面があるとします。その絵をどうすれば、見せてあげられるかを考え、デジカメでもプロジェクタでも、自分が手軽に使えるものを利用すれば良いと思います。まずは使い始めることです。そうすることで活用の幅が広がっていきます。
1人1台の環境に拘らない
松本教諭子どもたち1人に1台コンピュータを使わせることにも、拘る必要はないと思います。例えば、教室にコンピュータ1台とプロジェクタを持って行き、それで教材を提示する道具として利用することも簡単な使い方の1つです。教材を一斉に子どもたちに見せたい場合は、これで十分です。また、班やグループに1台ずつコンピュータを渡して、学習活動に使うこともお勧めします。私は、数学の確率の授業で、そのような使い方をしています。なんでもかんでもコンピュータ教室で、1人1台コンピュータを使って授業をしないといけないと思うと、授業の幅が狭まってしまいます。本当に授業で効果的なところだけコンピュータを使って、あとは通常の授業で良いと思います。
プロジェクタを利用した授業
教科に特化したアプリケーションを使ってみる
宗我部教諭教科に特化したアプリケーションを探して、使ってみることも有効です。そのようなアプリケーションは結構ありますので、学校の中である程度詳しい先生が、情報の提供を行っていくことが大事です。年間の限られた予算を効果的に使う方法として、おもしろそうなものをまず1本購入し、教員用のコンピュータ1台に入れて試しに使ってみる。そして、他の先生にも評価いただき広げていく。そんな取り組みも必要だと思います。


学校紹介

お茶の水女子大学附属中学校

お茶の水女子大学附属中学校昭和22年、男女共学の東京女子高等師範学校附属中学校として開校。平成19年に創立60周年を迎える。平成17年度から3年間、文部科学省研究開発学校の指定を受け、幼稚園から中学校までの12年間にわたる子どもの発達に焦点をあてた研究を推進中。帰国子女教育学級を設置するなど、国際理解教育にも積極的に取り組んでいる。

◎学校ホームページ:
http://www.ft.ocha.ac.jp/


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