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導入レポート
瀬戸 健 副校長

富山大学人間発達科学部附属小学校では、「対話する子どもをめざして」を研究テーマに、ITを活用したさまざまな学習活動に取り組んでいます。
このたび、同校の瀬戸健副校長に、IT活用のための環境整備やその効果などについてお話を伺いました。(平成18年6月 取材)

▼ご使用ソフトウェア:
SKYMENU Pro


対話する子どもを目指して

まず、瀬戸副校長に、「対話する子どもをめざして」という研究テーマについてお話を伺った。
 「もともと、『対話』という言葉は、本校では30年以上前からテーマにしていたキーワードです。はじめに『対話的思考』の研究に取り組み、その次に『追究を楽しむ』をテーマに、子ども同士のかかわりを大切にする研究に取り組みました。平成15年度より、この2つの研究テーマをまとめていこうということで、『対話する子どもをめざして』というテーマを設定し研究を進めています。」今年度は、『対話する子どもが育つ教育課程をつくる』ことを副題として、授業研究に取り組まれている。
 「授業での対話には、子どもたち自身が、やってみたい、おもしろいという意識を持つことがすごく大事です。その上で、お互いに考えを出し合いながら学びあっていく。だから、教師には教材や学習環境の作り方が非常に問われます。本校では、子どもたちが身を乗り出すような『わくわくする授業』を実践することに取り組んでおり、韓国、中国、ロシアの学校との授業交流や、IT活用の推進などを行っています。」

安心してITが活用できる環境を

ITの活用については、瀬戸副校長が赴任された平成15年当時は、校内のコンピュータは、機種が古く、ウイルス対策も行われていない状況で、ほとんど使えない状態だったといわれる。そこで、学校予算をやりくりして、15年12月から3月にかけて新しいシステムの整備に取り組まれる。整備にあたっては、富山大学人間発達科学部講師の高橋純先生の指導を受けられる。
 従来型の整備では、現場の先生方から、まず要望をお聞きして、必要なソフトウェアの整備を優先するケースが多いようだが、高橋先生は、先進地域の事例や企業のノウハウを活用しながら、先生方、子どもたちが安心してコンピュータを利用できる環境づくりに力を注がれたという。
 「今までは、トラブルが心配で、ほとんど使われなかったコンピュータが、整備後は、先生方、子どもたちがどんどん使うようになりました。『SKYMENU Pro』の導入効果もあり、コンピュータの使い勝手がすごく良くなったと思います。子どもたちも休み時間にコンピュータに触れている場面が多くなりました。整備をして良かったなと思っています」と瀬戸副校長。IT活用の足下をしっかりするには、安心感の確保が必要だと実感されるとともに、先生方が校務や授業でITを使い始め、こういう使い方もできるのかと新たに気づかれることもあるようだ。

図書室とコンピュータ室を一体活用

また一方では、コンピュータ偏重の学習活動にならないように配慮も行われている。
 「小学校の段階では、子どもたちに2次的な情報を与えることより、もっともっと具体物にぶつかっていってほしいと思っています。そういう経験があって、はじめてITを使った情報にも対応できるようになると考えています。そのあたりのバランスをしっかりとることが大事です」という瀬戸副校長は、平成18年3月に、調べ学習がより効果的に行えるよう、図書室とコンピュータ室の壁を取り除き、自由に行き来して学習が行える環境整備を行われた。
 「調べ学習という観点でいうと、図書主任と情報主任がバラバラの考えで学校の運営にかかわってくるのではなくて、情報に対する一体活用を考えていけるような形にしたい。また、子どもたちが、まず図書で調べ、そこに情報がないものはネットで調べる形にしたいと考えました。子どもたちがネットで調べるだけではなく、それを記録し、まとめるスペースも必要です。そこで、図書室とコンピュータ室の壁を取り除き、図書室のスペースがフレキシブルに使えるように整備しました。本や辞書をめくって調べるということは大切です。そこにある情報はオーソライズされた情報ですので、ネット上の情報よりもはるかに確実な情報が探せます」と整備の目的を話された。

ディジタルコンテンツを活用した授業も

今年度は、文部科学省が進めている「地上デジタルテレビ放送の教育活用促進事業」の指定を受け、ネット上に公開されているディジタルコンテンツを使った授業も積極的に行っていくといわれる。
 「指定校になったことで、放送局から教材提供などを受けることもできます。本校の授業が変わるきっかけになればと期待している」といわれる。



子どもたちに安心してコンピュータを開放-ログオンして利用することで、責任感が生まれる-
大島 孝明 教諭

富山大学人間発達科学部附属小学校で、情報担当のリーダとしてIT活用を推進されている大島孝明教諭に、『SKYMENU Pro』導入後のコンピュータ活用の現状についてお話を伺いました。(平成18年6月 取材)



コンピュータが気軽に使えるように

まず、校内の情報環境についてお聞きした。「本校では、校内LAN整備はすでに完了しています。普通教室にも情報コンセントが整備されています。普通教室でコンピュータを利用する場合は、各先生に1台整備されたノート型コンピュータを持って行きます。また、高学年のフロアーや図書室にも校内LANに接続されているコンピュータが設置されています」と説明いただいた。
 そして、コンピュータの使い勝手が良くなったことで、先生方や子どもたちのコンピュータに対する意識が変わり、気軽に使えるようになったといわれる。
 「校務関係は、基本的に共有フォルダで情報を共有しています。各教科の研究物なども、まとめのフォルダの中に保存し、最後にそれを一括りにする形にしています。メンテナンスなどのためにネットワークが使えない日があると、みんなかなり本気で困っています」といわれる。

授業者の意図通りにコンピュータが使える

『SKYMENU Pro』が導入され、一番変わったこととして、子どもたちに安心してコンピュータを開放できたことだといわれる。「[校内ネットワーク運用支援]によって、コンピュータの利用状況が職員室から集中管理できるようになり、だれがどんな使い方をしているのか、ひと目で確認できるのが便利です。不適切な使い方をしている子どもがいれば、[メッセージ送信]を利用して指導することがあります。すると、その子どもは見られていることに気づきますので、抑止効果が働きます。また、自分の名前でログオンして利用するように指導したことで、コンピュータを使う際の責任感が芽生え、使用後にログオフする子どもが確実に増えました。」
 また、職員室から一斉にコンピュータの電源が入れられることや、コンピュータ室で授業を行う際に、お手本となる画面を簡単に送信できること、子どもたちに話を聞かせたいときに画面をロックして集中させることができる機能が大変便利といわれる。「以前なら、コンピュータを使ったら子どもたちに使われっぱなしというところがあって、うまく教師と子どもの使い方がかみ合わないときがありました。今は、かなり授業者の意図通りにコンピュータを使えるようになりました」と『SKYMENU Pro』の導入効果をお話いただく。

ディジタルカメラを表現力をつけるためのツールに

今後のIT活用の計画については、「今年度からディジタルカメラ20台が配備されたので、これをうまく活用していきたい。例えば、学習の振り返りや、学習に必要なものを、個人フォルダにディジタルコンテンツとして貯めていければと考えています。ただ単に撮るだけではなく、必要に応じて子どもたちが自分で選んで、それによって自分の学習を高める。表現力をつけるための1つのツールとして、子どもたちが積極的に使っていけるものにしていきたい」といわれる。
 校務のIT化については、各教室にもコンピュータを1台常設しネットワークにつなげば、より校務の効率化が図れるのではと今後の整備に期待を込められる。「子どもたちの欠席状況やその日の予定を、毎朝ネットワークを通して各教室で確認したり、コンピュータを通じて先生同士が子どもたちの情報交換をできれば、効率化だけでなく、いろんな面で良い効果が出てくると思います。」

ITを使うことで得られる効果を考える

ITを活用するポイントとしては、「ITを使うのはあくまで人ということを忘れてはいけません。本当にITを今使うのがふさわしい状況なのか、使うことによってどんな効果が得られるのかということを考えることが必要です。目の前の子どもにとって、本当に良いと思うときに効果的に使えるようにしていきたい」とお話いただいた。

子どもたちがわくわくする授業を
 大島教諭がコンピュータ室で行われた、2年生図画工作科「わくわくディジタル野菜王国をつくろう」を取材した。
 子どもたちが生活科の時間に育てている野菜を、ディジタルカメラで撮影して写真コンテンツにし、そこにお絵かきソフトを使って、絵や文字を描いて、わくわくするような野菜王国を作る内容の授業だ。
 事前に子どもたちが自分でディジタルカメラを操作して写真を撮影。それを大島教諭が共有フォルダに保存。子どもたちは、そこから自分の写真を取り込んで作品づくりを行う。
 本時は、子どもたちが、『SKYMENU Pro』の[かんたんログオン]の画面から、自分の名前を選択して、ログオンするところからスタート。コンピュータが2人に1台という環境のため、作品づくりは交替で行う。はじめに作業を行う児童が、自分の個人フォルダから、前の時間に保存したデータを開いて作品づくりが始まった。

 お絵かきソフトの操作自体が2回目ということもあり、子どもたちから、ひっきりなしに大島教諭を呼ぶ声があがる。巡回指導の合間に、お手本となるような作品を作っている子どもの画像を見つけると、『SKYMENU Pro』を使って子どもたちのコンピュータに一斉に送信。すぐにみんなで作品の考察を行う。子どもたちと常に対話をしながら授業を進められていた。



学校紹介

富山大学人間発達科学部附属小学校

「対話する子どもをめざして」を研究テーマとし、「国際交流の推進」「心の健康」「IT活用の推進」の3つの視点から、子どもたち自らが対話をひらくための学習活動を実践。また、子どもの実態や授業の内容によって、柔軟な対応が可能なモジュール方式(1モジュール15分)の日課運営を行っている。

◎学校ホームページ:
http://www.fes.u-toyama.ac.jp/fes/


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